「大阪都構想」に対する住民投票の開票速報は、久しぶりにワクワクした。
最後まで大差がつかずデッドヒートを示したからでもあるが、
もとより住民投票で可否を決定するという、 直接民主制を具現したからでもある。
ただ結果には、ガッカリ感が残った。
地方自治から変えていくという、改革の波が潰えたから。
既得権側(既成政党)の利益を守る抵抗だけでなく、既存の慣れ親しんだものが無くなることへの心理的抵抗感もあったろう。
旧来の区と市が消えて、合併した区と市の上の府だけになって、住民サービスがきめ細かくなるとは考えにくいのも確かだ。
ただ、都民(区民)の一人としては、以前から政令指定都市の二重行政には違和感を覚えていた。
もっとも、他の政令指定都市内の現行の区と同じくらいの面積の特別区なのだが。
大阪が市の解体を実現すれば、私のもう一方の住居である名古屋もその弾みがついたかもしれない、という期待もあった。
ただ、「都」構想というネーミングにも問題があった。
「大阪都」という名称には、東京を羨望するかのような二番煎じ感があったろうし、すでに”都”である東京側にも抵抗感がある(石原前都知事の発言)。
ましてや、名古屋を「中京都」(川村名古屋市長)と名乗るのは、飛騨高山あたりの「小京都」よりは格上だが、本場の「京都」よりは明らかに格下であることを明言するかのようで、”大名古屋市民”のプライドを傷つけそう(もちろん”中”は中央の意味で使っているのだが)。
「都」を使う必要はなく、府県の下に市に相当する特別区を設ければいいだけだ。
それより、「名古屋」という地名が消えてしまうことの方が問題か(大阪は府名で存在する)。
その下の区名も「中区」とか「東区」とか、歴史性を無視した無粋なものだしな。
そう考えると、住民投票で行政区画名をもっと大ざっぱで無粋な名称に変えるというのは、確かに抵抗があるだろう。