博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『宮廷画師郎世寧』日本語版DVDリリース

2007年07月16日 | ニュース
先日まで鑑賞していた『宮廷画師郎世寧』ですが、8月に日本語版DVDがリリースされるとのことです。

アマゾンの予約ページ
Yes Asiaの予約ページ(こちらは早々とパッケージ写真がアップされてます)

日本語版タイトルは『康煕 雍正 乾隆 清王朝三代に仕えた宮廷画師 朗世寧』で、発売元は『康熙王朝』『雍正王朝』の発売元でもあるコニービデオ。ノーカットDVD8枚組です。ということはまたそのうちBSジャパンやGYAOで放映されたりするんでしょうか。
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台風一過だ大漢風(第41話)

2007年07月15日 | ドラマ『大漢風』
さて、人質状態からの解放を前に呂雉が項羽と会ってどういう話をしたかと言いますと、「あなた、私を妻に迎える気はない?私は天下一の英雄と結婚したかったの。劉邦と出会う前にあなたと出会っていれば、私はあなたと夫婦になっていたでしょう。」「この世で劉邦のことを一番よく知っているのは私。だから劉邦を倒すのには私の力が必要なはず。」……呂雉の二度目の告白、キタ━━━(゜∀゜)━━━ !!! 今回は前回と違って素面の状態での告白ですが、項羽はやっぱりすげなく呂雉をふってしまい、呂雉は隠れて様子を伺っていた虞姫に「あなたさえいなければ、今頃項羽と私が天下を取っていたはず!」と当たり散らす始末……

その呂雉、劉邦の陣へと帰る途中に審食其と「私との噂が立てばお前を殺すよ」「はっ、これまでのことは忘れることにします」と、何やら意味深な会話を取り交わしております。どうやら人質生活中に二人は深い仲になっていた模様……

漢楚の和平が成ったのを機に、虞姫は劉邦と君児との子を劉邦へと引き渡します。劉邦はその子を劉長と名付け、民間に里子にやることにします。この赤ん坊をどう処理するつもりなんだろうとずっと気になってましたが、この子が後の淮南王劉長ということになるようですね。しかしこのドラマの中で彼が再登場することはあるんでしょうか。

で、今回は新たに領地を授けられた韓信が妻とともに劉邦のもとへと赴く途中で、彼の故郷である淮陰に立ち寄ったところで終わりです。月姫がなかなか出て来ませんねえ(^^;)
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故宮のスタバ その後

2007年07月14日 | ニュース
以前、北京故宮内で開店しているスタバに撤去を求める声が強まっているというニュースを紹介しましたが、下にリンクした続報によると結局故宮内からの撤退が決まったようです。で、本日7/14をもって閉店した模様……

「『故宮のスタバ』ついに撤退=伝統ブランドを重視-北京」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070714-00000077-jij-int

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『華族』

2007年07月13日 | 日本史書籍
小田部雄次『華族』(中公新書、2006年3月)

タイトル通り華族大百科という感じの本ですが、面白く読んだのは華族と現在の皇室との繋がりを示す記述です。本書では華族の相続が男系による継承しか認められなかったことが、昨今の皇位継承に関する議論で旧皇族・旧華族の論者が女系による皇位継承を頑強に否定していたのも、こうした事情が関係しているのではないかと推測しています。

その他、現在の皇室に繋がりそうな話を拾い上げてみると、

○華族の中から生物学・昆虫学・植物学など博物学の研究者を多く輩出。→魚類の研究者である現在の天皇陛下のほか、生物学の研究に従事されている方が多いことに影響?本書では皇族出身の華族で、鳥好きが高じて山階鳥類研究所の創設者となった山階芳麿についても触れています。この山階鳥類研究所は黒田清子さんが勤務されていた所ですね。

○戦前には婦人雑誌の巻頭で華族の令嬢・夫人の写真が掲載されることが多く、またゴシップも含めて彼女らに関する記事が頻繁に掲載された。→現在の女性週刊誌で、特に皇后・皇太子妃らに関する記事が頻繁に掲載されていることに影響?

といったところでしょうか。

あとは、昭和天皇が華族の中でかつての五摂家など旧公卿の家柄に親近感を抱いており、大戦後に華族が廃止される際にも彼らの爵位剥奪には未練を感じていたらしいという話が興味深かったですね。
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ワーキング・プア化する若手研究者

2007年07月12日 | 学術
このほど発行された『中国研究集刊』第43号にて、注目すべき論説が発表されました。佐藤将之氏による「職業としての中国思想研究 ――『ワーキング・プア』化する若手研究者」です。

中国古代思想の若手研究者は日本で相当数存在するものの、大学での無期限の研究職の募集は皆無に近く、彼らは将来の展望もないままフリーター同然の生活を強いられている。海外では近年の出土資料の増加によって活発な研究活動が行われ、国際分業によって出土資料の解読・研究が行われているが、日本の学会は国際化に乗り遅れた結果、こうした分業体制に加われないでいる。また国内では自らの研究成果を現代中国理解に結びつけられず、世間からは無用な学問であると見なされている。

しかし学会の重鎮はこうした惨状を直視しようとせず、状況改善のために努力しようとすらしない。このままでは25年ほどで日本では中国古代思想の研究分野は消滅してしまうであろう。かつ、25年と言わず明日をも知れぬ若手研究者は国内での就職に見切りを付け、台湾や中国本土など海外での就職の道を探った方がよかろう。

こういった主旨です。ここでは著者の専門である中国古代思想の分野の状況を中心に紹介されておりますが、人文科学・社会科学ひっくるため文系の学問分野の状況はいずれも似たり寄ったりだと思います。私などはこれを読んで「ああ、やっぱりそうだよな」と暗澹たる気分に覆われています。まあ、いつかは誰かが言わねばならなかったことですよね……

たまたま読んでいた小倉芳彦『古代中国を読む』(岩波新書、1974年)にこの問題に関わる印象的な一節がありましたので、それを引いておきます。

たとえば古代中国の〈専門家〉のばあいで言えば、「文革」論議に野次馬的に加わる必要はむろんないが、といって、自分は古代〈専門〉だから現代中国にはかかわりがない、と逃げることは許されぬ。むしろ〈専門家〉は、〈専門〉の領域での研究を通じて、いまの中国の理解に問題を投げかけるような研究をすべきである旧中国を研究すればするほどいまの中国が見えて来る、そういう研究がしてみたい。 (197頁)

「文革」のところは、さしあたって「反日」や「食品の安全性」「環境破壊」といった時事問題を置換するとわかりやすくなるでしょう。
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『雪山飛狐』その2

2007年07月10日 | 武侠ドラマ
『雪山飛狐』第7~9話まで見ました。

ここまで非常に丁寧にストーリーが展開してきたので、商家堡でのエピソードもじっくり描かれるのかと思いきや、ここら辺はごくあっさりと済まされてしまいました(^^;) まあ、馬春花をめぐる恋の鞘当てなんてじっくり描かれても仕様がないですが。彼女の兄弟子の徐錚も、その恋敵となるはずの商宝振もあっさり死んでしまい、彼女はいきなり福康安に引き取られることに。

しかしこの馬春花のいでたちが何だかケバく、また他の女性キャラと比べて特に綺麗というわけでもなく、福康安がなぜ彼女に惚れたんだかよくわかりません……

商家堡での惨劇の後、ドラマ版では胡斐は趙半山とともに回疆へと向かい、陳家洛・駱冰・常兄弟・徐天宏といった面々とともに武芸の修行に励むことになります。紅花会(ドラマの方ではなぜか鉄花会という名称になってますが)のメンバーがいきなり総登場するあたりはサービス精神満点ですね。どうやら胡斐に直接関わる場面はじっくりと描き、あんまり関係ないところは思い切って端折るという方針のようです。ちなみに陳家洛と福康安は同じ役者さんが演じております。

ここらあたりで胡斐は子役から青年役の聶遠に交替です。しかしこの子役が少年胡斐を割と好演していたので、もう少し彼の活躍を見たかった気がしますね。
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『大漢風』第40話

2007年07月08日 | ドラマ『大漢風』
気がつけばあと残り10話というところまで来ているんですねえ。

今週は韓信が斉王となり、漢楚が和平を取り結ぶあたりを扱ってました。韓信の参謀の蒯通が「漢楚と天下を三分しろ」だの「漁夫の利を狙え」だのとしつこく韓信をけしかけてましたが、呉越演じるあの見るからに情けない韓信を目の前にして劉邦・項羽とともに天下を狙えとか言われても、絵空事か寝言にしか聞こえません(^^;) あの韓信のどこに惚れ込んだのか蒯通を問い質してみたいところです。別のシーンで項羽が韓信のことを「あの女のヒモになってた股くぐり野郎がっ!」と罵ってましたが、その程度の奴ですよ。

当の韓信はと言えば、最初は蒯通の進言に対して「私は大恩ある漢王を裏切れない」とか何とかしおらしいことを言ってたものの、斉王に任じられた後は舞い上がって調子に乗ってしまい、使者としてやってきた張良の「身を慎め」という忠告もあんまり耳に入っていない様子……

終盤では劉邦と項羽が講和を取りまとめ、項羽側に人質になっていた呂雉と劉太公も解放されることになりますが、その前に呂雉が項羽に会見したいと言い出したところで終わってしまいました。次回は久々に呂雉の活躍が拝めそうです(^^;)
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『雪山飛狐』その1

2007年07月04日 | 武侠ドラマ
というわけで上海新天地で買ってきた『雪山飛狐』を見始めてます。

監督は『PRIDE 小魚児与花無欠』でお馴染みの王晶(バリー・ウォン)ですが、作風はまるで別人のように変わってます(^^;) 

『PRIDE』では古龍の原作をいじり倒し、ギャグあり、金庸作品のパロディあり、おまけに相当制作費をつぎ込んでいるくせに小道具なんかを敢えてショボくするといった具合に好き放題やっていましたが、こちらはあくまでシリアスに話を展開させ、また原作のエピソードにオリジナルの設定を加えて話を補っている箇所もあり、非常に丁寧な作りになっています。

で、今回は全44話版のうち6話までを鑑賞。胡一刀と苗人鳳の決闘、胡一刀夫婦の死、そして苗人鳳と南蘭ととの結婚と別離までを扱っています。

ここまでは主人公の胡斐はまだ子役がチョロッと登場した程度で、父親の胡一刀と苗人鳳がメインキャラとなっています。胡一刀を演じるのは黄秋生(アンソニー・ウォン)ですが、この人が出て来るだけでコメディっぽい雰囲気が漂うのはなぜなんでしょうか(^^;) 『インファナル・アフェア』などで渋い印象の強い俳優さんのはずなんですが……

苗人鳳を演じるのは方中信(アレックス・フォン)で、こちらは朴訥な大侠という役柄にぴったりハマった配役です。しかしそれだけに、富貴な生活に慣れた妻・南蘭に振り回される姿が哀れであります。見ていて何だか泣けてきました(;´д⊂)
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『大正天皇』

2007年07月03日 | 日本史書籍
原武史『大正天皇』(朝日選書、2000年11月)

ドナルド・キーン『明治天皇』に引き続き、大正天皇の評伝も読んでみることにしました。

大正天皇と言えば何となく幼少の頃から崩御されるまで病弱というイメージがありますが、本書によると満20歳で結婚した頃から健康を回復し、日本各地や当時保護国であった韓国などへの巡啓を精力的にこなしたとのこと。本書はこの皇太子時代の巡啓の様子を中心に扱っています。大正天皇は敢えて予定外の場所を訪問して人々の本当の暮らしぶりを見ようとしたり、案内役の各県の知事に込み入った質問をして困らせたりと、相当におちゃめな性格であったようです(^^;)

また、日本に留学してきた韓国皇太子の李垠をかわいがり、彼と会話するために韓国語を学んだといったエピソードも紹介されています。

しかし天皇として即位した頃から再び病気がちになっていきます。どうも天皇になってから生活が窮屈となり、また父の明治天皇のように自らの意思を押し殺して人々に一方的に萌えられる存在になることを求められるようになったのが、かなりの精神的な負担になったようです…… この即位後に起こったとされるのが有名な遠眼鏡事件ですが、これを大正2年の話とする人もおれば大正9年の出来事とする人もおり、事件が起こった時期すら確定されないということで、本書では事実であるかどうか怪しいという立場を採っています。

そして病状が進んで言語が不明瞭になると、ほとんど押し込められるような形で天皇としての権限を奪われ、明治天皇を理想の君主とする教育を受けてきた裕仁皇太子が摂政に就任することになります。ただ、これに対しても大正天皇は精一杯の抵抗の姿勢を示したとのことです。

大正天皇が崩御すると、国民の間で彼が健康であった頃の記憶が薄れ、天皇が生涯病弱で精神薄弱であったというイメージが広まっていき、それとともに大正という時代そのものが印象の薄いものになっていったと結論づけています。

彼が天皇家ではなく分家筋の宮家か華族の家にでも産まれていれば、気さくでモダンな貴公子として平穏に生涯を終えることができたのかもしれません。あるいは現代の皇室に産まれていればどんな存在になったのでしょうか。現代の皇室と言えぱ、本書を読んで大正天皇と現在の皇太子妃がオーバーラップするように感じたのは私だけでしょうか……
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『大漢風』第39話ほか

2007年07月01日 | ドラマ『大漢風』
さっきまでNHKスペシャル『失われた文明 マヤ・インカ』を見てました。3回シリーズの1回目で、今回は亡くなった家族や遠い祖先のミイラを守り神として祀るアンデスの人々の風習や、そういったミイラを大切に扱う風習を政治的に利用したインカ帝国の統治がテーマになってました。何か『新シルクロード』より全然面白いのですが(^^;)

で、今週の『大漢風』であります。今回は広武山での漢楚両軍の対峙がメインで、項羽が劉太公と呂雉を引きずり出してまな板に乗せ、劉邦が降伏しなければこの二人を処刑すると脅しつけたり、劉邦が項羽の十の罪状を読み上げて項羽に胸を射られたりといったエピソードが展開されました。

終始オドオドしっぱなしで、広武山で処刑されそうになった時は息子に降伏するよう訴えかけ、しまいには小便まで漏らした劉太公に対して、ひたすら項羽を罵り、あるいは夫が自分達の命など何とも思っていないと達観した態度を見せる呂雉の姿にはさすがとしか言いようがありません(^^;)
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