本多勝一『カナダ・エスキモー』(朝日文庫、1981年)
『ニューギニア高地人』が面白かったので、『極限の民族』シリーズを3つとも読んでみることにしました。
この作品では当時狩猟生活を送っていたエスキモー(イヌイット)のでの体験談をまとめていますが、取材が行われた1963年の時点で既にアルコール中毒や自殺者の増加といったエスキモー社会の問題の徴候が現れているのに、暗澹とした気持ちになりました(-_-;) アルコール中毒に関しては、食料でもタバコでも酒でも、手元にある物は一挙に消費してしまうという彼らの習性によるものであるということですが……
文庫版あとがきによると、それどころか本書で描かれているような彼らの伝統的な狩猟生活自体が取材後に消滅してしまった模様……
あと、彼らが犬ぞりの犬を手荒く扱う描写が結構出て来るので、愛犬家にとっては読んでいて辛くなる作品かもしれません(^^;) もっともこれに関しては著者はエスキモーの犬はあくまで労働犬であり、愛玩犬とは違うのだと彼らのために弁明しています。
『ニューギニア高地人』が面白かったので、『極限の民族』シリーズを3つとも読んでみることにしました。
この作品では当時狩猟生活を送っていたエスキモー(イヌイット)のでの体験談をまとめていますが、取材が行われた1963年の時点で既にアルコール中毒や自殺者の増加といったエスキモー社会の問題の徴候が現れているのに、暗澹とした気持ちになりました(-_-;) アルコール中毒に関しては、食料でもタバコでも酒でも、手元にある物は一挙に消費してしまうという彼らの習性によるものであるということですが……
文庫版あとがきによると、それどころか本書で描かれているような彼らの伝統的な狩猟生活自体が取材後に消滅してしまった模様……
あと、彼らが犬ぞりの犬を手荒く扱う描写が結構出て来るので、愛犬家にとっては読んでいて辛くなる作品かもしれません(^^;) もっともこれに関しては著者はエスキモーの犬はあくまで労働犬であり、愛玩犬とは違うのだと彼らのために弁明しています。
民族三部作では、『ニューギニア』が一番読んでおもしろく、
『アラビア』が、最も考えさせました。
でも、『エスキモー』も丁度ええ具合の読み物ですね。
まだ、文化人類学者が世界中に散らばって行く前、その直前なんで、本多さんのような、悪う言うたら素人にお新聞記者が、
こんなことやってたんですね。
人類学者から見たら、はがゆいもんかもしれません。
本多さんは、エスキモーの「アグナグジョアック」さんを、
「日本人の耳に馴染まん」という理由だけで、「カヤグナ」さんに
勝手に変えてしもたりとか、どうでしょうw
エスキモー社会は、米軍の基地労働=アル中社会から、
カナダ国家内で、「ヌナブット」という、「イカリイト」という
首都を持った、自治社会になってると聞きます。
そこでは、一切のアルコール類が、禁止でなく、自省の結果として
排せられ、老いも若きも皆、狩猟に一番熱中している、、
というような新聞記事を、何年かまえの日本で見ました。
本多さんは、「定点観測」と称して、自分が何十年もまえに
観察した、アメリカ合州国を、もっぺん訪問して本にしてますし、
ヌバブットにも行って欲しいものです。
まあ、もうご老人やし、氷の上の生活はきついかな。
#わたしは、本多さんには、教えられること多く、個人的には、非常に感謝しておりますが。
>本多さんは、エスキモーの「アグナグジョアック」さんを、「日本人の耳に馴染まん」という理由だけで、「カヤグナ」さんに勝手に変えてしもたりとか、どうでしょうw
確かにこれはどうかなあと思いましたね(^^;)
一応こういう発音でも相手に通じたと弁明してますが……
>そこでは、一切のアルコール類が、禁止でなく、自省の結果として排せられ、老いも若きも皆、狩猟に一番熱中している、、
今ではまた状況が変わってるんですねえ。
まあ、21世紀のエスキモー社会のルポは本多氏ではなく後進の記者なりライターなりがすべき仕事なのかもしれません。