博客 金烏工房

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『大秦賦』その11

2021年02月06日 | 中国歴史ドラマ
『大秦賦』第61~66話まで見ました。

秦では秦篆が定められ、六国との通商に用いることが義務づけられます。この場面で李斯が定めたとされる『蒼頡篇』も登場。下世話な話だけじゃなくてこういう話も出てきますw

秦の文字を他国にも使わせるという制作は当然六国の反発を呼びます。李斯は母校とも言うべき斉の稷下の学に赴き、学士たちに秦篆のよさを認めさせ、斉王も秦篆の使用に同意。趙の春平君を盟主とする合従連合はこれにより斉の取り込みに失敗。


合従連合の軍師ポジションについた韓非は、洛陽に隠居している呂不韋を自分たちの仲間に引き入れようと提案。おいバカやめろ!と言いたくなるような策ですが、事態を知った嬴政は呂不韋を蜀に遷すことを決意。そして対秦のために自らが利用されることを望まない呂不韋は自害…… このドラマの韓非は韓代表の立場で外交活動を展開したりと、政治家として実像よりはかなりの大物になっています。


嬴政は趙を中心とする合従連合が呂不韋を死に追いやったと、仇討ちとして趙攻めを敢行。しかし趙の李牧の前に苦戦を強いられます。李牧演じる盧勇は『大秦帝国』シリーズでは1作目に続いて2度目の出演。王翦役の尤勇智(尤勇)といい、今作は原点回帰的な趣向・演出が目立ちます。


一方、合従連合の燕国代表として活動する太子丹は人質先の秦より逃亡し、祖国で樊於期と再会。樊於期は嬴政の護衛から将軍にまで出世していましたが、嫪毐の乱で留守を任された王宮を敵軍に奪われ、更に彼が嫪毐側に付いたと思われるという行き違いもあったようで、秦から燕へと逃亡していた模様。

諸国は秦と戦う趙に物資を支援しますが、対秦政策の一環として民間での銅鉄の私鋳を解禁するや、三晋では農民が耕作そっちのけで冶金にのめり込んだり、かたや地方では食糧不足から農民が難民化して秦へと逃亡したりしてにっちもさっちもいかなくなってきます。秦では韓非が人材であるのに目を付け、彼を使者として出仕させることを条件に韓との和平に応じる姿勢を見せ……

「その5」で触れたのと同様に、ここでも他国から秦へと難民が逃亡するというシチュエーションが出てくるわけですが、ここから読み取るべきは「まともな国は難民を保護する」という思想ではないかなと。(仁君が難民を快く受け入れ保護するという場面は『三国機密』でも出てきました)

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