アメリカ映画「スタンドアップ(原題 North Country)」を見た。1989年に実際にあったセクハラ訴訟事件を扱った映画だ。この事件はセクハラの集団訴訟として世界初であり、この件を機に「セクハラ」という言葉が市民権を得るようになった。
この映画のヒロインは離婚後に故郷へ戻り、二人の子供を養うために給料の良い鉱山で働くことになるのだが、DQNな男性労働者が大半を占める鉱山の中で、壮絶なセクハラを受けることになる。いや、セクハラというより性犯罪に近いかもしれない。尻を触ることはもちろん、女と二人きりになった時に性行為をせまる、簡易トイレに女性が入っていれば揺らして倒す、社長にチクれば報復として女子更衣室の壁に大便で卑わいな文字を書く、などやりたい放題だ。これが実際にあったというのだから呆れる。
80年代のアメリカといえばリベラル化がかなり進んで、日本については「女性の権利が守られていない」「未だに男尊女卑だ」などと言いたい放題だったような覚えがある。しかしそんな偉そうなことを言うアメリカも、社会の下層レベルでは日本と同じかそれ以下だったのだ。よく考えたらアメリカはマッチョな価値観(弱肉強食)が支配する社会なのであり、法律で規制しないかぎり女性が守られることはないのかもしれない。
それはともかく、ヒロインを演じたシャーリーズ・セロンが美しい。(^^) セクハラなど社会問題に関心がない人でも、この映画は彼女を見るだけでも価値がある。