Willow's Island

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きりひと賛歌

2011年04月04日 23時05分01秒 | 

 手塚治虫の「きりひと賛歌」を読んだ。妻が図書館から借りてきた漫画だが、これは名作である。内容はといえば、策略によって「モンモウ病」という顔が犬になってしまう奇病にかかった医師が、復讐を果たすまでの物語である。非常に重く、暗く、かつブラックな作品なのだが、ストーリー的にも大変面白い。これが40年以上前に作られた作品だというのだから、日本漫画の凄さを改めて感じる。妻は手塚治虫といえば「鉄腕アトム」とか「リボンの騎士」ぐらいしか知らなかったので、こういう漫画も描くのかと驚いていた。私はむしろ、晩年に描かれた大人向けの作品の方が、手塚治虫の真骨頂だと思っている。この「漫画の神様」はわずか60歳で亡くなられたが、生きていればまだまだ多くの名作を生むことができたのではないだろうか。それが本当に残念である。