「野菜セミナー in 磐田」は、まだまだ続きます。
次に私たちが訪れたのは、磐田市神増の海老芋畑。
高級京料理には欠かせない食材ですが、
実は、静岡県が全国出荷の80%以上を占めています。
昭和2年頃、磐田市(現在の豊田町駅付近)に
導入されたのが栽培の始まりです。
天竜川流域のこの地域には、
肥沃でありながらサラサラした土が、
山から流れてきます。
この土が、美しい形のお芋を作り上げるのに向いていました。
また、この地域は市街化調整区域となっていたため、
宅地化が進まず、
灌漑設備を整えることができました。
夏に大量の水を必要とする海老芋栽培には、
もってこいの環境でした。
さらに海老芋は単価が高いということもあり、
現在の産地が形成されました。
しかし、海老芋栽培は根気のいる作業の連続。
5月、芽が出た種芋を低いところに植えます。
その後、秋の収穫まで3~4回、手作業で土寄せを行い、
親芋の周りに5つの子芋がつくように
余分な芽を掻いていきます。
クワを入れて掘り起こすところを見せていただきました。
通常の収穫は、トラクターに掘り付け機を設置して行われます。
根を取って土を落とすと、
中から美しい白肌が現れます。
右の一番大きいものが親芋、
左隣が子芋、
子芋の周りに付いているのが孫芋です。
出荷されるのは、子芋と孫芋。
親芋はずっと食べられてはきませんでしたが、
近年はコロッケに加工されています。
広瀬生活総合センターに移動し、
海老芋料理を試食させていただきました。
大きくカットされたのは、子芋を茹でたもの。
孫芋は衣かつぎ、唐揚げ、そして
唐揚げに醤油をからめたものをいただきました。
コロッケは、親芋をつぶして作られています。
しっとりと滑らかな口どけの中にも、
栗のような香りとほっこり感も感じます。
土だらけだったのに、実は色白美人で、
お料理という洋服を身にまとうと、
カジュアルなものから上品なものまで見事に着こなす・・・
そんな海老芋は、「はいかぶり姫」を連想させます。
タアサイにときめき、
海老芋シンデレラに魅了され、
心もお腹も満たされた秋の一日でした。
さあ、野菜ソムリエとして、磐田野菜の魅力を
磐々(バンバン)発信していきましょう!!
県経済産業部みかん園芸課様、
JA遠州中央様、磐田の生産者様、
本当にありがとうございました。