”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

海老芋はシンデレラ

2012-10-20 10:49:59 | お勉強

「野菜セミナー  in  磐田」は、まだまだ続きます。

 

次に私たちが訪れたのは、磐田市神増の海老芋畑。

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高級京料理には欠かせない食材ですが、

実は、静岡県が全国出荷の80%以上を占めています。

 

 

昭和2年頃、磐田市(現在の豊田町駅付近)に

導入されたのが栽培の始まりです。 

 

天竜川流域のこの地域には、

肥沃でありながらサラサラした土が、

山から流れてきます。

この土が、美しい形のお芋を作り上げるのに向いていました。

 

また、この地域は市街化調整区域となっていたため、

宅地化が進まず、

灌漑設備を整えることができました。

夏に大量の水を必要とする海老芋栽培には、

もってこいの環境でした。

さらに海老芋は単価が高いということもあり、

現在の産地が形成されました。

 

 

しかし、海老芋栽培は根気のいる作業の連続。

5月、芽が出た種芋を低いところに植えます。

その後、秋の収穫まで3~4回、手作業で土寄せを行い、

親芋の周りに5つの子芋がつくように

余分な芽を掻いていきます。

 

 

クワを入れて掘り起こすところを見せていただきました。

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通常の収穫は、トラクターに掘り付け機を設置して行われます。

 

根を取って土を落とすと、

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中から美しい白肌が現れます。

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右の一番大きいものが親芋、

左隣が子芋、

子芋の周りに付いているのが孫芋です。

 

出荷されるのは、子芋と孫芋。

親芋はずっと食べられてはきませんでしたが、

近年はコロッケに加工されています。

 

 

広瀬生活総合センターに移動し、

海老芋料理を試食させていただきました。

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大きくカットされたのは、子芋を茹でたもの。

孫芋は衣かつぎ、唐揚げ、そして

唐揚げに醤油をからめたものをいただきました。

コロッケは、親芋をつぶして作られています。

 

しっとりと滑らかな口どけの中にも、

栗のような香りとほっこり感も感じます。

土だらけだったのに、実は色白美人で、

お料理という洋服を身にまとうと、

カジュアルなものから上品なものまで見事に着こなす・・・

そんな海老芋は、「はいかぶり姫」を連想させます。

 

 

タアサイにときめき、

海老芋シンデレラに魅了され、

心もお腹も満たされた秋の一日でした。

 

さあ、野菜ソムリエとして、磐田野菜の魅力を

磐々(バンバン)発信していきましょう!!

 

県経済産業部みかん園芸課様、

JA遠州中央様、磐田の生産者様、

本当にありがとうございました。

 

コメント (2)
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