旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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ハブにはハブの都合あり!

2013-06-10 01:37:00 | ノンジャンル
「ハブは攻撃的な性格は持ち合わせているが、それは生きるための本能。積極的に人間に仇はなさない。人間が彼らのテリトリーを侵害する場合のみ、毒牙をむく。それを人間は、ハブを悪者にすることによって正当化しているにすぎない」。
 農業ひと筋に生きてきて、ハブとも親しく付き合ってきた御仁の言葉。かなり説得力がある。自然との共存を強調しているように思える。長モノが好きなわけではないが・・・。

 ※ハブ注意報発令。
 県は5月1日。県民や観光客に対し「ハブ咬症注意報」を発令した。発令期間は6月30日まで。気温が上がるこの時期は、ハブの活動が活発化する。田畑や山野、草地などへの出入りや夜間の歩行の際の注意を呼びかけている。
 県によるとハブ咬症被害は毎年100件ほど起きている。2012年のデータを見ると被害件数92件。種別ではハブ46件、サキシマハブ33件、ヒメハブ12件、タイワンハブ1件。市町村別で最も多かったのは八重山石垣市22件、同竹富町10件、糸満市と国頭村が各9件。県薬務疾病対策課は万一、ハブに咬まれた場合の処置として、*激しく動かず、身近の人に助けを求める。*応急処置として傷口から吸引器や口などで繰り返し毒を吸い出す。*早急に医療機関で治療を受ける。と呼びかけている。

 ※異例!宮古島でハブ発見。
 5月19日。ハブは生息しないとされる宮古島の平良港近くの公園でサキシマハブを市民が発見捕獲した。宮古島でハブを発見したのは初めてのこと。このハブは雄で体長44センチ、体重16グラム、生後半年~1年半の幼齢とみられる。
 県衛生環境研究所の研究員は「鑑定依頼は過去にも何度もあったが、今回はひと目でハブと分かって驚いた。外部から持ち込まれたとしか考えられない」とコメントしている。サキシマハブは与那国島や波照間島等を除く八重山諸島と、沖縄本島に生息しているものだ。

 ※ハブ!マングースを丸呑み!
 5月22日。宜野湾市志真志のTさん(73歳)が自宅敷地内にハブが侵入し、鳥かごに仮保護していたマングースを丸呑みしようとしているのを発見。Tさんに見つかってマングースを吐き出し、逃走しようとしているのを捕獲された。隣村の中城村の畑にマングースが出没して鶏の卵に被害が出ていると聞いたTさんが仕掛けを使って捕獲。このマングースに興味を示した孫のために鳥かごに入れてあったそうな。Tさんのハブとの付き合いは長く、10数年前には、自身もハブに後頭部を打たれたという。Tさんは「冬眠から覚めたハブの行動は、これから活発化する。素人は、不用意にハブのいそうな草地や山地に入らないこと。咬まれるのは、人間がハブを追い込んでいるからだ。ハブも生きるのに必死だからね」と、注意を喚起している。

 ※ハブ・昔ばなし。
 この世のすべての生きものが親しく睦み合っていたころ、蛇の仲間のハブは、人間を咬む癖があり、そのことを神様に咎められると「人間の方が先にワタシの尾を刃物で切ったので、仕方なく応戦して咬んだのです」と主張していた。しかし、そのことが再三にわたるに至って神様は、彼の胴体を3等分にし、琉球、大和、唐(中国)に放った。琉球は頭部、大和は胴部、唐は尾を得た。そのため琉球のそれはハブとなり毒牙で攻撃し、大和のヘビは胴体で巻き付け、唐の蛇は尾で刺すようになったという。

 ヘビ、蛇は(神の使者)として崇められ、縁起物とされるが、かわいそうなのはハブ。好んで人間に歯向かうわけでもないのに忌み嫌われる。人間に生き物に対する共存と愛情があるならば、ハブが生きて行けるテリトリーを侵害しないようにすべきではなかろうか。ハブ保存会の会長を務めているわけではないが・・・・。

 ※6月中旬の催事。

 ◇糸満ハーレー行事 (糸満市)
  開催日:6月12日(水)
  場 所:糸満漁港中地区

 ◇第3回 沖縄美らSUNビーチ オープンウォータースイムレース(豊見城市)
  開催日:6月15日(土)~16日(日)
  場 所:豊崎海浜公園美らSUNビーチ

 ◇各地域でハーリー競争が開催される。




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