多和田葉子「聖女伝説」読了
本書は今年3月にちくま文庫より発刊されたものです。つい最近出版されたばかりなんですが、平成8年に太田出版より刊行されたものを、ちくま文庫が書き下ろし「声のおとずれ」を加えて出版したとのことです。
ですので、多和田葉子、初期の作品ということになります。今ネットで調べたらデビュー5作目のようです。
初期の多和田らしく、初々しいところもあるんですが、でもやっぱり多和田らしく、えらく難解です。裏表紙のコピーに<ことばの力で生きのびていく少女たちのためのもうひとつの「聖書(バイブル)。>とあるんですが、うーん…
以前読んだ「文字移植」にも思ったんですが、読む者がどう考え、どう思おうが無関係に疾走していく感じ。この感覚、決して嫌いではないんですがね。
「文字移植」のときのように少し時間をおいて再読してみようかと思います。感想はまたそのときということで。