トシの読書日記

読書備忘録

パリティ非保存説

2009-02-19 16:28:44 | は行の作家
広瀬正「鏡の国のアリス」読了

広瀬正、今ちょっとマイブームです(笑)

同作家の小説は、「ツィス」、「エロス」ときて、これが3冊めなんですが、これもなかなかよかった。鏡に写る像に関する研究というのが、昔からなされてきたようで、もうそれがかなり詳しくというか、マニアックに延々と書かれていて、そこはちょっとついていけませんでしたが(苦笑)

普通、SF作家というのは、アイデアとかプロットに溺れてしまってそこにのめり込んでしまう場合が往々にしてあるんですが、同作家の文章は叙情的ともいえる美しい文章を綴り、またエスプリのきいたユーモアも交えて読む者を飽きさせません。天才です。

原典となっているルイス・キャロルの同名の本、読んでみたいと思います。ついでといってはなんですが、あの有名な「不思議の国のアリス」も読んでみたくなりました。

悲しみの構図

2009-02-19 16:19:36 | は行の作家
フィッツジェラルド著 小川高義訳「若者はみな悲しい」読了

毎週欠かさず見るNHKBSの「週刊ブックレビュー」でどこかの大学の教授が勧めていたので買って読んでみました。

それほどでも…というのが正直な感想です。フィッツジェラルドといえば「華麗なるギャツビー」で有名な作家で、それを最近、村上春樹が訳したことでも話題になった人なんですが、どうなんだろ、これ。訳者の小川高義は「停電の夜に」「その名にちなんで」のジュンパ・ラヒリも手がけてましたが、同じ訳者でも、こうも違うものかと驚かされました。それだけ作家の資質が違うということで、まぁ当たり前のことなんですがね。

これを読んでから「グレイト・ギャツビー」にとりかかろうと思ってたんですが、やめときます。残念でした。