トシの読書日記

読書備忘録

周到な文章力

2009-01-06 19:05:28 | は行の作家
堀江敏幸「おぱらばん」読了

パリ郊外に住む筆者(?)の身の回りに起こる出来事を小説のように、あるいはエッセイのように綴った短編集。三島賞を受賞してます。

いやぁうまいなぁ。ほんと、文章の達人です。この作家は何冊も読んだんですが、毎度唸らされます。余談ですが、この間読んだ須賀敦子の文章もこの作家と似たテイストですね。

文章の巧みさ、その中から立ち昇る教養の深さ・・・。恐れ入りました。

2008年を振り返って

2009-01-06 18:19:57 | Weblog
パソコンが調子が悪くて困ってましたが、今日、リカバリーをしまして全て消してしまいました。新年にふさわしく、まっさらな気持ちでブログを続けたいと思っております。

さて、2008年に読んだ本は数えてみたら139冊もありました。もうこれはビョーキですね(笑)その中で特におもしろかった本をあげてみたいと思います。全部で30冊です。ですからベスト30ってことですね


《1》 井上荒野「切羽へ」
《2》 町田康「宿屋めぐり」
《3》 村上春樹「羊をめぐる冒険」(上)(下)
《4》 イーユン・リー著 篠森ゆり子訳「千年の祈り」
《5》 桜庭一樹「私の男」
《6》 絲山秋子「海の仙人」
《7》 町田康「告白」
《8》 橋本治「夜」
《9》 小池昌代「タタド」
《10》蜂飼耳「紅水晶」
《11》井上荒野「グラジオラスの耳」
《12》絲山秋子「ばかもの」
《13》村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」3部作
《14》アルベール・カミュ著 窪田啓作訳「異邦人」
《15》エイミー・ベンダー著 菅啓次郎訳「燃えるスカートの少女」
《16》ジュンパ・ラヒリ著 小川高義訳「停電の夜に」
《17》山口瞳「江分利満氏の華麗な生活」
《18》井上荒野「ベーコン」
《19》町田康「パンク侍、斬られて候」
《20》小池昌代「屋上への誘惑」
《21》ジャネット・ウィンターソン著 岸本佐知子訳「灯台守の話」
《22》小池昌代「感光生活」
《23》村田喜代子「鯉浄土」
《24》吉本ばなな「キッチン」
《25》朝倉かすみ「タイム屋文庫」
《26》ジュンパ・ラヒリ著 小川高義訳「その名にちなんで」
《27》須賀敦子「ヴェネツィアの宿」
《28》中島義道「時間を哲学する」
《29》筒井康隆「ダンシング・ヴァニティ」
《30》中島義道「孤独に」ついて」



とまぁ、こんな感じなんですが、順位はどうしてもこれじゃなきゃダメってわけでもないです。5位~25位くらいは順番が変わっても一向にかまわないんですがね(笑)

№1は、この人を選ばなきゃいけないって気持ちで井上荒野「切羽へ」にしました。あと、再読してぐっとのめりこんでしまったのが同作家の「グラジオラスの耳」です。11位にランクインさせました。あと、町田康の小説もほんとおもしろくて2位、7位、19位にいれました。

それから、2008年の読書で大きく変わったのは、翻訳物を多く読むようになったことです。これは岸本佐知子のエッセイ「気になる部分」とか「ねにもつタイプ」ではまり、この人の訳なら面白そうと入っていった次第です。


今年も、充実した読書ライフを送りたいと思っておりますです。