昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

昭和のマロの考察(101)経営・ビジネス(3)

2010-12-18 05:35:55 | 昭和のマロの考察
 ネット証券の雄、松井証券社長松井道夫氏は続ける。

競争市場で生き抜くためには、虚業コストを排除することがポイントです。これをリストラと言うのです。
 これは情報革命が起きたことによります。この本質は何かと言えば、すべては<個>が中心になったという点に尽きる。
 自ら判断して行動する<個>のネットワークが中心となる。
 もうこの流れを無視してビジネスは考えられなくなりました。
 私は<天動説から地動説へ>と言っていますが、今まで供給側の企業主導で<個>を囲い込んでいた宇宙観が、通用しなくなった。

 何百万、何千万という需要側の<個>が中心となり、逆に企業を取り込むという宇宙観。まさにコペルニクス的転回なくして商売ができなくなったと理解しています。
 となれば、組織の構成員たる個々の商人の発想も変えねばならないのは当然です。すなわち、<個>を囲い込むという発想を脱し、<個>から選ばれるという発想をしなければならないわけです。
 企業に勤めていても、あなたは商人です。自分のお客様を思い浮かべ、その人は何を求めているのか、自分が消費者なら何がほしいのか。そうした商品やサービスを考え出して始めて商人としての義務が果たせるのです。


 一時<ドッグイヤー>という言葉が流行った。

 情報やソフトが富を生む知識社会では、かって1年かかった変化が2ヶ月足らずで起きる。人間の7倍の速さで生き、寿命を終える犬と時間の進み方が同じだというのだ。
 そんな時代には新しい形態の企業経営が生まれる。

 パッと散る会社。
 東京調布でソフト開発を手がける(有)パステル。
 経営者の松本英一氏はいつも社員に「10年後の会社はないよ」と言っている。
 4年前の創立以来、毎年2億円前後ある売上げは税金と経費を除いてすべて11人の社員に分配してきた。
 会社にたまる余剰金はない。
 本社オフィスもなく、いつでも解散できる身軽さだ。


 ─続く─


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