昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

昭和のマロの考察(124)女と男(31)

2011-04-26 06:17:38 | 昭和のマロの考察
「・・・僕はこれからの時代を根底から動かしていくのは女性の力だと思っている。
「それは、女性がリーダーシップを取るという意味ではない。幕末であれ平成であれ縄文であれ、いつの時代もすべての男は女から生まれ、女に育てられてきた。 いつの世もスタートラインは女性なのだ。
 社会の表舞台で直接世の中を動かすことだけが時代を動かすことではない。
 今を動かす力を持っているのは女性だけだ」


「<育てる>とは、<親として育てる>ことに限らない。姉として、伯母として、恋人として、妻として、友人として、いかなる形であれ、男に関わり、男をひとかどの者にしていくのは女の<育てる力>なのだと僕は思っている」

「自分の過去を振り返っても、小心者で臆病で根性なしの自分に、自信と誇りと勇気を与えてくれたのは、祖母や母をはじめとした女性たちだった。
 大仕事をやり抜くための痩せ我慢も背伸びも大風呂敷も、表向きは世のため人のため己のプライドのためであり、それは一面の真実ではあるけれど、その裏には必ず、愛する女性に認められたい、褒めてもらいたいという思いがあった。
 この思いを、軟弱であると笑わば笑え」


「愛する女性に認められたいという私的な気持ちを、世のため人のためという公への気持ちに昇華させてこそ男であると僕は信じている。
 私的にどうしようもない男は、世の中のお役に立つことでしか、育ててくれた女性へのご恩返しができないではないか。これは居直りではなく哀しみだ」


「だから平成の大和撫子たちにはお願いしたい。
 己の命を公のために捧げる志をもった男には、際限なく愛情を与えていただきたい。どうしようもないところには目をつぶって、加点評価を心がけていただきたい。

 ただし、言行不一致があったときは厳しく戒め、その度量と覚悟と胆力を大きく育てていただきたい。
 男は女の育て方ひとつなのだから。

 (原 伸介・ジャパニスト2011.No.8、巻頭エッセイ)より。
 

 *原さんは、今から16年前、22歳の時出会った炭焼きの師の生き様に一目ぼれして弟子入り、現在独立して原木の伐採から搬出、炭焼きまですべて独りで行うかたわら、職人・一次産業の魅力と日本の精神文化の素晴らしさを若者に伝える活動に命を燃やしている。

 


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