昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

昭和のマロの考察(102)経営・ビジネス(4)

2010-12-19 06:12:42 | 昭和のマロの考察
 <パッと散る会社>、これはイタリアが起源だという。

 「人材が資本のソフト会社は一人一人にもうけを還元すべきで、つきつめたら今の方法に行き着いた」・・・
 岩井克人東大教授によれば、会社(カンパニー)の語源は地中海貿易で栄えた中世イタリアの<コンパーニャ>。
 パン(パーニャ)をともにする<コン>という意味だ。
 航海の度に会社は解散し、もうけは構成員で山分けした。

 欧米ではこの意識が残る。というより21世紀をにらんでむしろ強まっており、「事業を売却し、会社を解体してでも、株主は蓄積された富を分配して取り戻そうとする」米国のM&A(合併・買収)金額は過去最高の6590億ドルに達した。
 解体しないまでも、株主は成熟企業の株は容赦なく売り浴びせ、将来性のある企業に再投資する。そこでは「資本は富をより多く生む会社へ」という市場の資源再分配昨日が、いかんなく発揮される。・・・
 <コンパーニャ(山分け)資本主義>が2020年に向けて、工業社会から知識社会へと経済を若返らせていく。
(日経2020年からの警鐘。1997年3月)
 


 <閑話休題>

 最近すごく衝撃を受けたテレビ番組がある。
 NHK熱中スタジアム<世にもおそろしい女王アリの話>だ。
 妊娠したトゲアリの女王が単独でムネアカオオアリの巣に潜入、そこの女王アリを殺し巣を乗っ取って、そこで自分の子を産み、そこの働きアリに育てさせるという驚くべき話だ。
 他にも自然界に同じような例があるが、トゲアリの人間顔負けの狡猾なやり口には唖然とした。

 アリは目が見えないのでにおいで仲間を識別する。それでトゲアリの女王は作戦の第一歩としてムネアカオオアリの働きアリに接触、手練手管で仲良くなり相手のからだを触りまくって相手のからだの表面のワックスを自分に付着させ、まんまとムネアカオオアリに成りすます。 

 そして相手の巣に入り込み、自分より大きい女王アリを探しあてると闘いを挑む。
 アリはからだのジョイント部分が見るからに弱い。トゲアリの頭は細長いので巧みに相手の弱点に喰らいつき食いちぎる。自分の方はジョイント部分がとげで保護されている強みがあるので勝利を収める。

 いやあ、ぼくも70年以上生きていますが、これは初めて目にしました。
 へえっ!と驚きでした。
 これを高樹のぶ子さんのブログで紹介したら、トゲアリはアタマで考えたというよりDNAのなせる技なんだろうと。そして恐ろしきは人間のDNAの悪質さを指摘されました。

 次回にはその話を。ビジネスにかかわる話も含めて紹介しましょう。

 ─続く─


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