マル鉄・鉄道写真館

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159系・153系:修学旅行列車「こまどり」

2011-02-23 00:30:00 | 国鉄・JR急行列車
159系153系修学旅行列車 急行「こまどり」


急行「こまどり」は、主に東海地方と品川を結ぶ修学旅行列車です。
昭和35年に153系で誕生しましたが、翌36年に専用の159系が誕生し、置き換えられました。


159系

159系は、先に登場した155系をベースとした修学旅行用の車輌です。
155系は、座席が2・3列のヨコ5列で、出入り台に洗面所を設けるなど、修学旅行用に徹した造りとなっていましたが、一方159系は、中京地区の修学旅行用車輌として増備されたもので、修学旅行閑散期は臨時急行への使用を考慮したことから、車内は急行型153系に準じたものとなっています。
しかし、両者とも中央本線等への乗り入れ対策として全低屋根構造としたことから、外観が著しく似ています。また、製作費を抑えるため、コイルバネ式の台車としたことも特徴となっています。



昭和54年頃 品川駅にて 159系 岡崎・大垣方面集約臨「こまどり」

159系は、もっぱら中京地区←→東京地区の修学旅行用として使用されており、時間帯が良いと、このように品川駅で見掛けることができました。今では橋上通路が「駅ナカ」になってしまいましたが、かつては修学旅行生が待機する広大な待合所があり、時折りシャッターが開いていて、中を覗くことができたものです。

写真は塗装変更過渡期の頃で、かなりな混成状態となっています。変更作業は、製作輌数の少ない同系の泣き所だったのかもしれません。クハ正面の塗り分けは、155系はオレンジ一色なのに対し、159系は113系に準じた帯びまわしとなっており、低屋根の顔と相まって、個性的になっているのがわかります。
この後、全車が湘南色として出揃うと間もなく、この写真の翌年には廃車されてしまいました。


153系



昭和55年5月頃 東海道本線 品川駅にて 153系急行「こまどり」

159系が廃車になると、急行「こまどり」には大垣区の153系や155系、165系なども使用されるようになりました。






上の写真と同じ列車です。
117系導入に伴い、新快速の座を追われた153系は、状態の悪いものは廃車、良いものは大垣区などへ転属することとなり、急行「比叡」や中京地区の普通列車に使用されました。
その運用はまちまちであり、写真のように修学旅行列車である「こまどり」にも例外なく充てられました。東京で見ることができない車両なので、大変驚いたものです。

「こまどり」はJR化後も引き継がれましたが、東海道新幹線三河安城駅開業に伴う利便性確保ができるようななったことから、平成に入って間もなく消滅しています。

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