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ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

『椿の花咲く頃』ほっこり幸せ!ありがとう、でも・・・

2025-04-10 09:53:24 | 韓ドラ
全話エピソード、韓ドラお決まり、目出度し、幸せ、爽やかキッスで巧みに締めくくってくれた。



腎臓病で絶対絶命のピンチの母親も、警察から病院から弁護士から、町の人たち総出で、奇跡の蘇生!いざとなれば、みんなで力合わせるのがこの国の良さだ!って、セリフ、ちょっとほろっとしたが、大統領の非常戒厳⇒弾劾、世論分断の今を思うと、とっても複雑、ってえか、切ない願いに聞こえたりして。

怯まぬ愛の力が、不運も、不幸も、逆境もすべて乗り越えて、すべての人に幸せをもたらす、もちろん、おとぎ話なんだけど、決着に至る様々な困難、波乱、の大揺れに翻弄されたあとの大楕円、卓抜した脚本と演出で見事に嵌められた。

ただなぁ、ストーリーのピースが、ほぼ親子の絆。
主人公ドンベクは子連れシングルだし、その母親は幼少時に捨てた娘への贖罪に命を投げ出そうとする。相手方、世間知らずで常識突破の若い警官ヨンシクも母親と二人暮らしだ。
ドンベクの元彼ジョンニョルも、突如子ども愛に目覚めて、親権主張し悪戦苦闘する。
おまけに、殺人鬼も父子二人、そのねじれた絆も、エピソードと一つになっていた。

受けるだろうねぇ、どんなことがっても、抱き寄せて離さない親の愛情って。でも、親ガチャなれの果ての俺としちゃなぁ、ちょっと引く。

それも、出てくる母親、もう熱愛超えて猛愛、盲目愛の超高度レベル!韓国らしさ?満載の激しい感情表現も相まって、かなり引く。

あそこまで執着されたら、もはや親の差し出口、勘弁してくれよ、どころか、ウザい!の一言。これって、俺だけ?今時日本人のフツーの反応じゃないかねえ。
いや待てよ、淡白ではあっても無言の圧力とか、ちょっとした一言に責められ続けて苦労してるのが日本の息子、娘たちなのかも。

改めて、韓国って、濃密絆社会なんだなぁって、実感させられた。
特に、嫁舅の対決、舅の圧倒的な支配力、ドラマだから誇張はされてるだろうけど、もはや、家父長制ならぬ、家母長制だって断定したくなるほどだ。

いや、違うな。家では、力ないんだ母親は。聳え立つ権威は男たちの元にある。男たち、家父長に虐げられ、絶対服従を強いられる親だからこそ、子どもたちへの強烈な抱擁へと向かうんじゃないか。

いやいや、韓国の女たちは強いぞ。ドンベクの周囲の商店街?のおばさんたちの強いこと!旦那どもはこそこそと家を抜け出し、ドンベクの優しい笑みに救いを求めてたじゃないか。殺人鬼に鍋や麺棒で立ち向かってたじゃないか。

でも、それって、こうありたい!の女たちの願望かも知れない。理不尽には気丈に言い返す韓国の女たち、反論、反抗できずに鬱屈をためる日本の女たちとは違った、男社会、男権支配への大きな不満を抱え込んでいるのかもしれない。

その象徴とも言えるのが、優秀弁護士の妻チョヤンと、バカでお調子者の夫ノ・ギュテとの行きつ戻りつの夫婦関係かもしれない。

圧倒的に夫を支配し、優位を保つ妻。義母の度重なるちょっかいにも動じず、不倫騒ぎを理由に離婚を推し進める、あの決然とした姿。妻が上でもいいよ!の再確認を済ませて、冷え切った夫婦関係、というより、妻の愛想つかし、は修復に向かう。義母の息子への盲愛も、一言、そのスープは夫の好み、私が好きなのはコムタンと、立ち切って、新しい嫁舅の関係に一歩踏み出す。

古典的とも言える母子の情愛の深さを描きつつ、他方、この新しい夫婦の有り方を描いたところに、制作者たちの巧みさと、思いが込められていた、
なぁんても見方は、穿ち過ぎ、贔屓の引き倒しってもんかもな。


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