例えば、先生「企画ばっちり、アイディア募集。」女優「企画?アイディア?」先生「番組ヒット、視聴者釘付け。私カリスマ、料理王。」女優「また、変なのが現れた。」先生「料理決定、調理お任せ。誰にも負けない必勝不滅。」女優「もしかして、料理の先生?」先生「あたりきしゃりき車引き。」女優「えっ、それ、違うでしょ。あたりきしゃりきけつの穴ブリキ、ですよ。」・・・・
なんて、およそおバカなやり取り、役者にしてみりゃ、どうすりゃいいのよこの私?ってところだ。なんか書きたい放題、勝手しまくりだな。当然聞くわ、どう言えばいいんですか?で、答えるわけさ、大げさに感情込めて面白く読んで。あんたが面白くして、そのセリフ、って。で、さらに悩むわけだ。
今回の菜の花シニアプラザ団の作品『追いかけぇて!追いかけぇて!』、タイトルもふざけてるが、中身もかなりハチャメチャだ。上のやりとりは料理の先生と無理やり助手にさせられた女性との会話。先生の言葉、ますます簡略化され、すべて4文字熟語的になっていく。かと思えば、早口言葉の応酬とか、おもしろそう!って思えばなんでもぶち込んだ。
でも、そんなゴツゴツの笑いの素材、そのまんま突き出したって、すべるどころか、笑い狙いってことだってわかってもらえないだろう。と、なると、あとは、役者がどう料理するかに尽きる。イントネーションから強弱から粘り気から速度から間合いから声色からフェイントから、ありとあらゆる持ち芸を駆使して、見えもしない目標にたどり着くしかない。
そう、すべては役者まかせってこと。演出としちゃ、つまらん!ダメ!もっと面白く!ってひたすらダメ出しするだけ。何度もやり直しを要求されて、こりゃ辛いわ。なんて台本書いたんだ!って恨んでるだろうな。でも、セリフって役者の体から出て初めて生きるもんだ。まして、笑いとなると、身体性を抜きにあり得ない。とかく一つに固執しがちなアマチュア演技、これを機会にたくさん引き出しを作ってもらおうじゃないか。
演出だって、どう演じたら面白いか、なんて正解持っちゃいないんだからさ。さっ、悩んで、悩んで、大きくなろう!
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