ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

台本なんて、役者あって、演出あってなんぼだから。

2015-03-20 09:16:52 | 演劇
 ただ今、菜の花座、稽古2本立てで実施中!菜の花プラザシニア団と若手コントチームを同日同時間帯に稽古している。もちろん別室で。理想としちゃ、別に稽古日もうけて、どっちにもじっくり取り組めればいいんだけど、それやると僕は週のほとんど夜がつぶれる。これいくらなんでも悲惨だろ。さらにシニア3期生の稽古あるんだものね。普段は、二部制にして、早くから集まれるシニアを前半、菜の花若手を後半9時以降って決めて回している。

 と割り振りしてはいても、若手には、あんたらベテランなんだから自分たちでなんとかしなよ、って任せきって、難題多きシニアの方に張り付いてしまうことが多い。で、昨晩、はたと気がついた!若手コントの本番まであと三日しかないじゃないか。こ、これはいかん。コントの後半部分なんて、動きも付けていなかったんだ。で、シニアの方は早々に切り上げて若手の稽古場に出向いた。

 とりあえず通してもらう。な、なんじゃ?これは!コントか?こ、こ、こ、これ、コントかぁぁぁぁ?

 ぜんぜん、面白くない。せりふ回しも間の取り方も、違う、違う、違う!動きや身ごなしにいたっては、はっきり言って、タルイし、ダサイ!シリアス芝居の動きでもなければ、コミカルな仕草にもなっていない。当人たちは、なんとか笑いを!って暗中模索、もがき苦しんで演じているんだろうが、これでいいの?っていう自信のなさが身体全体ににじみ出ている。

 よし、わかった。ってことで、一から動きを作り直す。台本を書いた時のイメージでは、とぼけた探偵が刑事コロンボ風に調査対象の女性に絡むってもんだったが、若い女優がこれやっても、まるで様にならないってわかって、急遽、演出方針を変更。思い切って滑稽な動きで統一しギャグも新たに詰め込んだ。椅子を使ってコミカルな仕草を仕込んだり、チョコ煙草なんてどっかで見たようなギャグも組み入れ、もう恥も外聞もなくこれでもかっ!って笑いにこだわる動きに仕上げた。そりゃやり過ぎだろ、って顔をしかめる人もいるかもしれないが、今回の観客は高校生、思い切って羽目を外して勝負だ。

 たった4~5分ばかりのシーンにたっぷり2時間。こっちの頭をフル回転し、役者の表情や動きに目を注ぎ、アイディア絞り出しては試してみる。役者たちの何気ない動きも、笑いにつながるものはどしどし採用、終わってみれば、最初とはまるで別物の芝居に仕上がっていた。

 う~ん、やっぱ、演出だよな。台本でいくら面白く書いたって、朗読劇じゃないんだから、役者の動きがその面白さを引き出してくれなくちゃさっぱりだ。しかも、演じる役者は生身だし、当人の持ち味ってもんがある。特に笑いについては、役者のセンスが大きくものを言う。学んで身につけていける部分もあるけど、どこまで上手くなっても、コミカルな味わいって奴は、その人柄について回るんだなぁ。

 お笑い向きじゃない役者たち、シリアス舞台なら存在見せる役者たちに、コントでどう笑いを取らせるか、ここはもう演出以外にない。思い切ってデフォルメして、変な生真面目さを飛び越させるしかないんだ。

 なんか、コントの台本書きって惨めな作業だよな。役者が動き回って、演出がこねくり回して、ようやく人様に見せられるものに仕上がるわけだから。演出が勝負よ、ってことだ。菜の花座の場合、書くのも、演出も僕だから、演出の越境作業に不満言うわけにもいかんし、演出が本の不出来をなじるわけにもいかない。作者と演出、二人分仕事して、どうにかものになるってことなんだ。

 で、ここではたと気付いた!要するに、台本も、演出も不十分なんだってこと。本当に面白く書けてりゃ、読むだけで面白いもの、自分の拙さをああだこうだ言いくるめてごまかしちゃわかんね!(ダメよ)って、残念なから、今日も反省で終わりだ。

 そうそう、公演の予告、しなくっちゃ。このコント『婚活志願』、22日(日)午後4時からフレンドリープラザでお見せする。前日とこの日、二日間は会津、置賜高校演劇部合同発表会、5校がこの日に向けて仕上げてきた作品を上演する。高校生も菜の花コントも、どちらもぜひぜひござっとごえな。
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