ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

元パン屋にだって意地ってもんがありまさぁ!

2015-03-19 09:22:26 | 暮らし
 ごはんパンと運命の出会いをしてほぼ一年。技術はたしかに上がったし、安定した。でもなあ、あのマンネリって陰軍団が確実に忍び寄ってきてはいる。食パンも三種類、菓子パンもブリオッシュも一通り製品化して、まっ、こんくらいあればパン屋だって開けるよな、ってとこで安住してしまっている自分。いかんなぁ、いかん、なんとかせにゃ!

 現状突破の一つの鍵は、デニッシュ!そう、ごはんパンのあのモチモチ生地でデニッシュを作れないか?生地でバターを包み込み何度も折りたたんで層を作るあのデニッシュ。あれは、やっぱ、アマとプロを敢然分かつ資格検定みたいなもんだと思う。と、思いなしつつも、怠け者だからさ、優柔不断だからさ、いつかね、暇があったらね、機会があればね、と先延ばし引き延ばしし通して先送りしてきた。でも、先日、なまくら頭をがーんと一発ぶちかまされる事態に立ち至った。

 テレビだ!またもや、テレビだ!

 NHKEテレにU29って番組がある。20代後半の若者の様々な挑戦を描きつつ、まだまだできるぞ君!って再起を煽る内容だ。で、猛烈刺激を受けたのは、お母さん、いやいやママ、うーん、ヤンママが週末パン屋を軌道に乗せてるって話だった。子育てしつつ主婦業もぬかりなく、金曜夜から日曜日にかけては、パン屋を開業、毎月の純利が10万円だって。なんだ、せっせこ働いて10万かよ、って人はバイトに出るなり、株に首突っ込むなりなんなりとやってくれ。自分の技術とアイディアとこまめな働きで稼いでるってことが頼もしい、しかも、パン屋だから。こりゃ元パン屋としちゃ負けてらんねえよって気持ちになるってわかるだろ?質が高く、この店でなくちゃ手に入らない名物パンがネットで人気、開店の日は朝から注文の電話鳴りっぱなし!うーん、やるな、御主!

 まっ、煽られたからって、よっしゃおいらも店出して、なんて暴走老人する気はない。他に仕事もこだわりもあるからね。でも、時折とは言え、知り合いに頼まれてパン焼いてる身としちゃ、法律的にはともかく、意識としちゃ同業だから、意地ってもんがあらあな、あらこれ新製品?とか、うわーっ、こんなの初めて!とか、次が楽しみぃぃ!なんて言わせたいじゃないか。

 ってことで、今回デニッシュに挑戦!それも100%バターを使用!えっ?デニッシュとかクロワッサンとかってバターでしょ、どこの店でも?って素朴なあなた、とんでもねえですよ。ほとんどのパン屋さんはマーガリンなんです。コンビニなんかのだとほぼ100パーマーガリン、高級品になっとバターの配合割合が上がっていく、ってのが実態なんだ。理由は?安いから、それもある。強い香料で消費者の評判得やすいから、それもある。作り手の側としてマーガリンにこだわるのは、生地となじみやすく延ばしやすいから、作業がめっちゃ楽だってことにある。だから、敢えて、バター100に挑戦!

 生地こねて、バター包んで、折りたたんで、冷蔵、生地を休めて、取り出して、延ばして、折りたたんで、冷蔵して、・・・・。伸ばし易いようにバターを事前に練ったりしたけど、やっぱりバターって言うこと聞いてくれない。薄~い板にならず、そこら中でぼつぼつ切れて多島海のようになってしまった。まだまだ工夫が必要だな。



 生地がごはんパンだから、層が見事に仕上がるなんてあり得ないので、ちょっと流行のデニッシュブレッドに仕上げてみた。生地に対してバターがまだまだ足りないようで、それらしくは見えないが、お味の方は、なかなかのものだった。てことで、第一回目の挑戦、とりあえず、実行したからね、っと自分に念押ししてちょっと満足。でも、元パン屋の意地の張り合い果たし合い、まだまだ続きそうだよ。



 
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