ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

自民党政治が打ち破れない理由が分かった!

2022-12-07 13:01:14 | 世の中へ
ブレイディみかこってかっこいいよなぁ!
とことん踏み外した高校時代、アルバイトに明け暮れて金貯めちゃパンクロックの本番イギリスに出かけてくって。物書く才能を認めて大学進学を進めてくれた担任の言葉、軽くいなしてイギリスに住みついちゃう。それも労働者階級の街に憧れてだぜ。
保育士の仕事しながら、イギリスの労働者階級についてやヨーロッパの政治状況について興味津々の報告を続けてるって、こういう知識人、いままでいたか?
外国帰りって言ったら、経験ひけらかして、富裕層のお先棒担ぎでテレビコメンテーター、行く行くは、自民党から政治家先生ってありきたりのパターンだろ。
ブレイディみかこは生き方の上からも貴重な例なんだよ。
で、彼女の本「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」亜紀書房刊を読んだ。

経済学者の松尾匡、社会学の北田暁大と3人で、政治おける経済=下部構造の大切さを口が酸っぱくなるほど喋り続けるって内容だ。突き動かしているのは、どうして日本のリベラル左派は勝てないの?それって、経済をバカにしてるからじゃないの?って根源的で激越な問題意識だ。
自民党にNOと言う自分、そりゃ確かに大切なんだよ。安保法制で憲法踏みにじるわ、国会の仕組みぶっ壊すわ、政治私有化して忖度政治を蔓延させちまうわ、公文書の改竄、抹消を常態化させるわで民主主義破壊のやりだい放題!古めかしい家父長制押し付けて、女性の地位や権利の向上は無視しづける。差別意識を温存して歴史は勝手に修正する。挙句は統一教会とのべったりだもの。
「安倍(自民党)政治は許さない」って声張り上げてきたのも当然だよ。
でも、それってことごとく押しまくられて来たよな。どころか、野党は四分五裂、自民党より右から支える維新とか参政党が台頭して立憲左派はじり貧状態じゃないか。国民民主党なんて、あからさまに連立与党入りを目指してるし。
この永続的敗北の原因は何か?それは、食うとか暮らすってことの基盤、経済から目を背けてきたことに依るんだ、ってのがこの3人の主張なんだ。
その背景には、高度経済成長期からこの方、中流化が進行し、それに押しまくられて労働組合も弱体化と変質を強いられ、もはや賃上げだけでは対抗しえなくなったって事実がある。
それをさらに補って力を発揮したが、自民党の経済政策だった、ここが主張の一番の要だ。
保守派って言うと、西欧の例にならって、財政規律重視の緊縮派と見做し勝ちだが、自民党は実は違う。健全財政とか国債による借金とかを叫ぶ一方で、ばら撒きと言われる財政出動を繰り返している、これが自民党の融通無碍な政策実態だし、強さの秘密なんだってこと。
安倍政権が長く続いた理由もここにある。赤字財政を転換するためと消費税を上げたり、社会保障を切り下げたりしながら、教育の無償化とか掲げて国民の不満解消、人気取りを進める。このアクセルとブレーキの交互踏み込みの巧みさが安倍政治の勝手放題を支えて来たってこと。
このバランス感覚を見損なって、緊縮に雁字搦めになっているのが、左派リベラリズム、中でも民主党から立憲民主党に繋がる野党だから、自民党にしてみれば痛くも痒くもないってことだ。自民圧勝の秘密はここだ、ってなるほど、確かに、確かに。
アベノミクスについては、今や失敗の評価がいよいよ高まっているが、その三つのうちの二つの矢、金融緩和と財政出動、について、基本、それは間違いではない、ただ、対象や使い方が間違っていた。法人税の減税とか、資産収入の保護なんかに向かったから、貧富の格差は抜き差しならぬところまできてしまった。これが松尾を中心に3人の共通認識だ。
では、この本の著者たちはどのような対案を提示するのか?
反緊縮!国債の赤字など気にする必要はない。思い切った財政出動で新しいニューディール政策を進める。消費を喚起しデフレを脱却し、格差の解消を目指す。さらに、脱炭素社会の実現に向けた環境保護にも積極的に投資する。
これが国民の腹を満足させつつ、新しい時代を切り開く方策なんだと言う。そう、政治を動かすには、まず人々の経済的不満を吸い上げることなんだ。簡単な話し、人は食いもので動く、暮らしで靡く、金が何よりモノを言うんだ。この庶民の感覚をないがしろにして来たから左派は負け続けた。うーん、本質を突いているぞ!
そうそう、それってれいわ新選組の目指してる方向性だろ。どうなんだ、どうしてれいわについて言及がないんだ、この本には?って本の奥付きを見てみたら、2018年5月の発行だった。れいわ誕生の1年前じゃないか。
ここに集った3人の知識と提言を生かしつつれいわ新選組が生まれてきたのかもしれないな。
ってことなので、れいわを支持する人はもちろん、れいわに違和感を持つ人たちも必読の1冊だよな。
「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」ぜ!
コメント
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