ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

ぼっち作業でハウスビニール張り!

2020-04-04 09:06:17 | 農業

 ダメだ、今週末も天気悪いぞ!先週も悪天候、ハウスのビニール張りがどんどん遅れる。ヤバいんだって、トマトやキャベツの種播けないじゃないか。イネの育苗土も乾かせない。去年はたしか4月1日に終わったはずだ。雪だって残っちゃいないし、気温だって暖かいのに作業が進まない。縦25メートル、横7メートル、厚さ0.1ミリのビニールをパイプハウスの上に引っ張り上げて広げるんだ、これは、一人じゃお手上げだ。どうしたって、神さんの手助けがいる。でも、片時も目を離せない年寄りがいるんでねえ、ショートステイに行ってもらう土日しか外には出られないんだ。ところが、その土日が・・・

 こりゃもう天候が許せば、一人でやるっきゃないぜ。

 雨降りは当然ダメ。寒いのは我慢するとしても風の強い日はダメ。バカでかいビニールがあおられてみろよ、握ったまま空に舞いあげられるからな。抑えるだけで、精いっぱい、脚立から落ちて大けが!なんてとてもとても。今年は、また、風の強い日が多いんだ。ここらだけじゃない。東京からの天気予報でもそう言ってた。これも気象変動の一端なんだろう。

 風速6メートル~10メートルなんて、ちょっとした暴風なみの風が3日に一度は吹いてるんだ。この隙間を掻い潜って作業するしかない。と、なりゃこれはもう一人で頑張るしかないってもんだぜ。何日も前から天気予報と睨めっこ、よしっ、明後日だ、朝と夕、凪のような晴天!ただし、9時から4時ころまでは風速3メートル。うーん、朝のうちに済ませてしまえれば、なんとかなるか。そのためには事前の準備が必要不可欠、ハウス内にプール枠の丸太を運び込んで、抑えのマイカー線(農業用の幅広ロープ)数十本を、片側すべてパイプに結束しておかにゃならん。できれば、横壁になる裾用ビニールを張ってしまえれば、残るは屋根を張るだけになる。と、目算するも、前日は立っていられないほどの強風!ああ、もう!!仕方ねえ、すべては明日だ。

 翌朝、1時間早めに起きて、まず、朝飯前に、丸太の運び込みと裾用ビニール張りをしちまうか。えっ、裾用ビニール足りないじゃないか!がぁーん!そうだ、半分は古い奴で、今年は更新することにしてたんだ、かぁぁぁぁっ!買ってこにゃならんぜ。中断!飯食って時間つぶしてからトマト、資材屋さんへ急行だ。事前の準備、チェック、まるでなってないぞ、まったく。

 9時過ぎりゃ風が出てくるってのに、屋根ビニール張りに掛かれたのは9時過ぎ。もう、吹くなら吹きやがれ!どうしても無理なら夕方再開でいいんだし、と、腹を括った。

 ハウスの前後に脚立を立てる。風上の側にビニールを広げる。腰には、ビニールを固定するパッカーを入れたはけごを着け、前に行ったり後ろに戻ったりしながら徐々に引き上げていく。二人なら、前後に一人ずつついて同時に引っ張り上げれば、造作ない、いや、これもかなりの力仕事、なのだが、一人だと、これは1人対10人の綱引き並みだ!まず、入り口側を引き上げるのだが、一度で端まで引き上げるなんて非力のジイサンにゃとても無理!不安定な脚立の乗っての作業、ない力がますます半減だ。まず、半分引っ張り上げて、ずり落ちないように、パッカーで止める。脚立を降り、だらりと寝そべって部分をフレームに乗せて、そこでもパック止め。再度脚立の上り、最初のパッカーを外して残り部分を引きずり上げる。ここで、仮止め。降りて、下の部分のパッカーを外し、支えたまま脚立を上がり、パッカーで、・・・なんて芋虫みたいにちょっとずつ引き上げて行くんだ。ちょっと泣きたくなるような孤立無援さだぜ。

 苦闘20分、よしっ、入口側は止められた。風で吹き飛ばされないうに反対がも引っ張り上げて固定だ。が、なんせ、25メートル分だ。いっぺんに引っ張るなんてとても無理。横に移動し、だらりと垂れたビニールをさらに引っ張る。縦半分分のビニールを引き上げて、大急ぎで奥側に回ったら、ああ!突風、一吹き、苦心の末の入り口側、パッカーがすっ飛んで、ビニールはあえなく落下!もう!めったやたら止めておくんだった。

 振り出しに戻って、入り口側、固定完了。よしっ、横からも引き上げ、奥側の脚立に駆け上り、同じように何度かにわけて、ずりずりと引き上げだ。パック止めをして、よっしゃ終わった!と、思ったら、横が均等に張られていなかった、あっちゃ!せっかく引っ張り上げたビニールをさらわれないように、1か所ずつパッカーを外しちゃずらし、外しちゃずらし、して、どうにか、前後をパックで止めた。

 さっ、早いとこマイカー線で押さえないと、春の気まぐれ突風で吹き飛んで、すべて水の泡になる。マイカー線数十本の片端を一定間隔でロープに結束し、両端を持って風上から風下に移動。これも一人二役、前に行ったり奥を引いたりしてどうにかすべてのマイカー線を屋根越しさせることができた。ロープから外して、パイプフレームに結わいつける。このマイカー線での抑えが、決め手だ。これさえ結束してしまえば、台風にだって耐えられる。1本、また1本と結束するにしたがい、暴れまくっていたビニールもようやく諦めて、フレームに密着するようになっていった。

 途中、大急ぎで昼飯をかっ食らい作業を続け。2時前、ビニールハウス、完成!

 お見事、って自分で言ってやったね。これだけの広さのビニール張りを一人でするって、まぁ、誰もできんだろうさ。大したもんだぜ、俺!って、そんなのぼっち作業でするって、よほどの偏屈者ってだけの話だぜ。でも、偏屈、大好き。この達成感は2日は持つな。

 

 

 

 

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