ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

決まった!菜の花座12月公演タイトル『ガード下★魔女は踊る』

2018-09-15 08:35:11 | 菜の花座

 7月公演の時に出した予告じゃ、『律義な魔女と暮らすには』だったような気がする、っていい加減!まっ、いいんじゃない、どうせ覚えてる人いないだろ。魔女ものだ、ってことが伝わってればいいのさ。で、お約束通り魔女で舞台作れそうなんだから、基本、嘘ついたわけじゃない。って、それ詐欺だろ。

 『ガード下★魔女は踊る』断然いいだろ?予告編より。ガード下がなんたって効いてる、えっ、ええっ!の斬新さだ。ここらの人たちにゃ馴染みがないかも知れないが、都会じゃ鉄道のガード下って、いろいろ物語溢れる空間なんだ。例えば、有楽町から新橋にかけての線路下なんか思い出してもらってもいい。飲食店で隙間なく埋まっている。

 ただ、今回書こうとしているのは、そんな賑やかなガード下じゃない。繁栄から取り残されて、連絡通路としての役割さえ怪しくなった廃道みたいなガード下だ。そこにたむろする、やはり取り残された人たちと魔女のお話しだ。うん、かなり面白いものが書けそうだ。って今から手前褒めしててどうする!

 魔女を登場させるとして、場所はどうする?時代はいつ?悩んだねぇ、これぞ!と思い当たるものになかなか出会えなかった。魔女が無理なく現れるなら中世ヨーロッパ?と、すればメルヘンか?でも、そりゃありきたり。シニア2期生に書いた『ラグリンシャ・ククロニカル』をなぞるような感じだしなぁ。田舎を舞台にすると、限界集落のジジババものにになっちまう。これも置農演劇部に書いた『どんがら山奇譚』に通じるし。あの時は、婆さんと座敷童だったけど。

 日本の中世、応仁の乱の頃の市てのはどうだ?これにはイメージ広がって、そうとう練り上げて見たんだが、衣装や小道具準備の手間暇を考えると、2か月半という短い制作期間じゃとても手に負えないと諦めた。魔女が火縄銃に先んじて漂着してた、なんて想像力をくすぐる設定だったんだけど。

 閃きは思いがけないところでやって来た。高校演劇地区大会、プログラムを見ていて、これだっ!と思った。それは米沢中央高校の作品紹介の文章。書き出し、「地元から離れた山奥の廃駅。」これを見て、一気に思いついてしまったんだ。そうだ、廃れたガード下だ、舞台は。

 こんなもんだよ、アイディアが降って来る時ってのは。ガードなんて全然出てこない。しかも田舎じゃない。思い浮かべたのは、渋谷にある山手線のガードだったんだ。井の頭通りが山手線にぶち当たったところ、それをくぐれば宮下公園に通ずる、あのガードだ。そう、渋谷を歩いたことのある人ならきっと目にしてるはずだから。通ったことのある人だって少なくないだろう。今じゃ西武デパートがどっかと対面にそびえ、そのガードの入り口付近は、公園通りを行き交う人の波が引きも切らない。

 だが、60年前は違った。恐ろしい場所だった。異界だった。少なくとも10歳の子供の目にはそう映っていた。ゴミが散乱し、浮浪者がその合間に横たわり、ヤクザとおぼしき者たちが、眼光鋭くたむろしていた。とても通り抜けできるトンネルではなかった。いや、その入り口付近でさえ近づき難く、どうしても通らねばならぬ時は、目をそらし足早に通過したものだった。そのガードの先には闇市の成れの果てが広がっていたから。

 あそこなら、魔女が出現したとしても不思議はない!よしっ、舞台設定はガード下だ。場所が決まればストーリーも浮かんで来る。ガード下を彩る人たちの姿も見えて来る。

 構想まとまった。さぁ、書き始める時だぜ!おっと、残された時間はたったの2週間!大丈夫かい?ってたって書かにゃならんのよ、稽古できるの2か月半しかないんだから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする