ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

怒れ、怒るな、怒る時

2012-03-03 22:44:59 | 教育
 今日は卒業式、昨日は演劇部送別会、二日にわたって熱い、暑い、厚い心残りの交歓が繰り広げられた。4時間超の送別会、コモンホールでのダンス・ダンス・ダンス!女生徒などなんど抱き合って涙を流したことか!最後のお別れの時など、ネクタイは取られる、ボタンは引きちぎられる、ついにブレザーまでかすめ取られて、「あぶねぇあぶねぇ!スカートまで剥がされるとこだった!」なんてうれしさ満点で語っていた。

 それに引き替え、男はねぇ、シャイちゅうか、あっさりしてるちゅうか、せいぜい肩叩きあうくらいだもんね、まっ、それが男の美学には違いないけど、ちょっと寂しいよ。なんで、昨日は送別会を締めくくるセレモニーを一つ無理強いした。

 それは、腕引っ張り!置農演劇の筋トレで必ずやっているメニューの一つだ。2人で片手を握りあい、互いに相手を自分の側に引っ張りこむべく力の限りを出し尽くす。これを相手を変えつつ5回行うてのが日頃のメニューだ。男同士だったり女同士だったり、女と男だったり、手を握って引っ張り合う。パネルや平台運びの二の腕の筋力を養うために考えたトレーニングなんだけど、手を握り合うというスキンシップがなかなかの好評で、部員たちきゃっきゃ言いながら楽しんでいる。公然と異性の手を握れるってのが喜びの本音かもしれないけど。

 それを最後のお別れにすることにした。その場の思いつきなんだけどね。男たちにももっと体の温もりを感じる別れの儀式を体感してほししいって思ったんだ。一二年生全員が、三年生全員と手を握りしっかりと腕を引っ張り合った。お互いの手の感触、お互いの力強さ、お互いのいたわり合い、を思い出にとどめて欲しいと思った。感じた温もりをいつまでも大切にしてほしいな。

 さて、卒業生からもらった色紙、書かれてあったのは、怒られた、ごしゃかれた、ダメだしされた、・・・・もう僕に関しては怒られた記憶しかないようだった。嘘だろ?優しくしてやったろ?楽しくはしゃいだことだってあったろ?じっくり話してあげたことだってあるだろう?なのに、思い出は、怒られた!そうなのか?って疑問に思う反面、そうかもしれないって納得する自分もあったなぁ。

 たしかによく怒った。芝居作りはダメだしの連続で仕上がって行くもんだから当然、ってレベルをはるかに超えて怒ったよな。人の話は顔を見て聞け!わかったら返事!挨拶!自分で考えろ!上級生らしくしろ!先輩の言うこと聞け!自分のことだけ考えてんな!全体を見ろ!場をわきま相手を思いやれ!だらしない格好するな!スカート短く上げるな!ズボンずり下げな!パンツ見せるな!ジャージの裾引きずるな!勉強しろ!赤点取るな!毎日、ごしゃかない日はなかったかもしれない。今日は怒らないようにしようって心に決めていっても、結局声荒げていたり、人前じゃみっともないから怒るのやめよ、って思いながらも怒鳴りつけていたり、さすがに、ちょっとヒステリーなんじゃないか?って反省したりもする。

 歳のせいかもしれないとも思う。そう、落語の「小言小兵衛」だよ。年取るとなにかと腹立ちも増えるんだろう。周囲みんな気にくわん!世の中すべて間違ってる!およそ、好々爺にはほど遠い現実なんだな。

 でも、言わなきゃいかんことは言わなきゃいかん。ごしゃくときにゃごしゃかにゃいかん。それが教育ってもんだろ。今は、わからなくても、いつか、それが効いてくる。ごしゃかれごしゃかれして育って来たってことに思いいたるに違いない。今更、誰からも慕われる先生になろうとなんて思わない。嫌われ、煙たがられ、厭われつつも、ちくしょー!あいつの言うこと、悔しいけど本当だ、って思い返してもらえるようになればいいんだ。

 って強がってみるけど、できれぱ、生徒たちに寄ってきてほしいって気持ちも心の隅にあるんだよね。

 

 

コメント (4)
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