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ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

えっ?!そこで笑い???シニア5期生公演『生前葬につき』

2016-11-25 09:09:57 | シニア演劇

 笑いはいい。観客の笑いは役者を元気にしてくれる。これでいいんだ、と自信が湧く。もっと行くぞと勢いがつく。客席の方も和やかなムードに包まれる。舞台との一体感が生まれて幸せになる。だから、笑いを待ち受ける。随所にばらまいた笑いの撒きびし、踏め踏んでくれ、と願いを込めて舞台を見つめる。

 今回の舞台、滑り出しはひやっと冷たかった。そりゃそうだ。葬式シーンで始まり、突如としてよさこいソーラン!なんだ?この芝居どうなってんだ?笑いどころじゃない。突拍子もない展開を追いかけるのに精いっぱい。かと思えば、葬儀や生前葬についての議論のあれこれ、なーるほど、とは感じても笑ってる場合じゃない。役者の方も固い。コミカルな演技なのか、上がっているのか判断に迷う中途半端。

 それが、白浪3人銀之助で一気に戸惑いの幕が切って落とされた。そう、実際に定式幕をスパッと落とした。現れたのは3人の白浪銀之助。

 白浪5人男の衣装とセリフ回しで主人公根来銀之助の来し方を語る。1人目ではこれまた呆気に取られていた観客、二人目の銀之助になって、声がかかり拍手が沸いた。そうか、こういう、おふざけなんでもありの芝居なんだ!って気づいたのだと思う。そこからは、お客さんの心も意識もほぐれた。休憩後、の再開にはちょっと工夫。テレビ同様、先に終わったシーンを繰り返してから始めて、これが大受け。そこからはほぼ笑いの波状攻撃。役者も気を良くしてのりにのって最後まで突っ走れた。笑いの力だな。

 今回の笑いには、セリフや仕草が可笑しさで取った笑いもあったが、舞台の役者たちを日常で知ってるが故の笑いも少なくなかった。見知った者が演じていれば、それだけで親近感湧き、おのずと頬も緩むというもの。そんなご贔屓さん、親衛隊を100人近くも引き付けての舞台上だ、ライト振る代わりに笑ってくれるわけだから、これは強い。拙い演技でも意図を察して笑い、とちってつまれば、頑張れと笑いで声援する。こんな心強い応援団の盛り上げもあって、役者はいつものレベを越えて演じ切った。そう、ちょっとやり過ぎ?って感もなきにしもあらずなほどに。

 でも、こういう身内の笑いは、思ってもみない効果を引き起こした。かつての恋人の娘との誤解が溶けて、車椅子の銀之助と娘が踊る場面、これは、ジーンとくる感動シーンになるはずだったのだが、なんと大きな笑いに包まれてしまった。娘役が地域の人気者だったこととか、背の高い女性だったこと、それまでで、笑いのセンサーが全開状態になっていたからだと思う。予期せぬわらいだった。あるいは、車いすで踊るってことが、滑稽感を生み出したのか?しかも、このダンス、音響機器の不具合で短い時間で切れてしまったからなおさら、心を動かすまでに至らなかった。演出としても残念だったが、踊った当人がとてもがっかりしていた。

 どうも、歳をとると笑いのスイッチが入りやすくなるようなのも、ちょっと困ったものだ。もう少し、セリフや演技の意味を笑い以外の感性スイッチで見てもらえたらなぁ、なんてことも思った。笑ってもらって不満言って悪いんだけど。

 あるいは、こちら側にシーンのコミカル要素を見切る力が欠けていたのかもしれない。笑いに助けられ、笑いに翻弄され、それでも、笑いで終われて、やっぱり良かったなぁ。

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あっさり記録更新!400人超!!シニア5期生公演『生前葬につき』

2016-11-24 09:54:18 | シニア演劇

 菜の花座もシニア演劇学校公演も、観客数300、この壁が越えられない。人口1万7千人の田舎町で、アマチュア演劇、お客さん集めるって容易なことじゃないのよ。だいたい芝居見る人そのものが少ないしね、まして、アマチュアじゃね。プロの舞台だってがら透きの惨状。数日前の人形劇『リア王』ひとみ座なんて、見るも無残。永井愛さんのあの力作『鴎外の怪談』だって、200ちょっと、地方の疲弊はそのまま文化のひび割れとなって広がってるってことだよ。菜の花座の場合、ぽつりぽつりとご贔屓さんは増えてはいるものの、なかなか300の目標には手が届かない。

 ところがだ。『生前葬につき』、一気に400人越えちまったんだなぁ、これが。とんでもねえな。開場の1時間近く前から集まりはじめ、開場前にすでにロビーは大混雑、整理して4列となった入場待ちの人たちが15mも並んだ。こりゃ混乱するといけない、ってことで、5分前から入場開始した。仕切り幕で前方500席に区切った客席、みるみる埋まっていく。おいおい、これやばいぞ!座る席なくなる!1ベルの鳴る中、慌てて仕切り幕を撤去した。ぎりぎりの決断、上手く行った。芝居が始まってから入ってくるお客さんに暗い中でも容易に席を見つけてもらうことができた。いやー、壮観だぁぁぁぁ。凄いねぇ、嬉しいねぇぇぇ。

 今回のこの大動員、なんと言っても、出演者の頑張りが大きかった。最高は一人100枚、70、80、売ったんだもの、これはもう、お見それいたしやした!とひれ伏しちまうね。中でも小国町の二人は競い合って、なんと150名超、バス3台仕立ててくれば良かったなんて冗談が飛び交うほどだった。この二人も含め、日頃、地域で信頼受けてるから見に来てもらえるんだよな。川西だけじゃなく、小国の町長さんや町の偉いさんたちもこぞって見に来てくれた。ありがたいことだ。

 そうなると、あらゆる伝手を頼って、売りさばいた出演者に恥をかかせるわけにゃいかないぞ。途中休憩でごそっと帰っちゃったらどうしよう、とか、つまんねえ、金返せ、なんて、言われたら・・・不安も客の多い分だけ膨れ上がったね。どうか、どうか、これまでの稽古の成果を発揮してくれ!って舞台に念力を送りつつ見せてもらった。

 当然のこと、セリフは完璧ってわけにゃ行かなかったけど、まずまずの出来。いやいや、ハイテンションで突っ走って、これまで以上の熱気を帯びた舞台になった。お客さんも大いに手助けしてくれて、笑いや掛け声や手拍子で、応援してくれた。

 終了後、客出しに出た役者たちをたくさんのお客さんが握手を求めて列を作った。いい光景だったなぁ!

 ただ、これって、個人のファンだからね。菜の花座やシニア演劇学校の実力や評判が呼び集めったもんんじゃないてってとこ、大きな問題として残るよなぁ。忘れるなよ、くれぐれも。

 

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今頃照明プラン?シニア演劇学校5期生公演『生前葬につき』あと3日!

2016-11-20 09:55:14 | シニア演劇

 まだ出来てないのか!呆れるね、まったく。本番まであと3日だっていうのに、照明プランが上がっていない。

 菜の花座でプラン書けるのって、二人しかいない。どっちがやるにしても、相談して決めてよね、っ言ってあったはずなのに、気が付けば、僕に押っ付けられてた。まあな、菜の花座の稽古も同時進行だし、仕事忙しい人たちだから、暇な座長がやったらいいんじゃないの、ってことなんだろう。しゃあねえ、一丁頑張っか。でも、本番直前って!!

 本当は、もっと早く作って舞台のプロスタッフと打ち合わせておかにゃならんのだけど、プラザでの舞台作りも、もう15年以上だもの、お互いにやりたいこと、できないこと、わかり合ってるし、信頼もがっちり固まってるから、打ち合わせも本番直前でまずなんとか間に合う。前回の菜の花座公演なんて、仕込み前日にファックスで仕込み図送って、お願いしますっ!って押し切ってしまったくらいだもの。それでもなんとかしてくれる山形綜合舞台サービスのプロの技、ありがたいことだ。

 プラン作るにゃ、その芝居が十分わかってなきゃならない。台本を頭に叩き込むのはもちろん、舞台稽古もしっかり見て、役者の立ち位置とか、装置の具合なんか見定めておくことが必要だ。稽古には当然ちょくちょく顔を出さねばならないのだが、仕事抱えてる若手にはそれが難しい。残業多いし、夜勤はあるし。一番この舞台を理解してるのは、作者であり演出である僕なわけで、数年前までは照明プランも僕の担当だった。でも、それじゃ、劇団として発展性ないだろ、やっぱり、若手に力付けてもらわなくっちゃ、ってことで、任せるようにしてきたんだが、今回は大まけの出血サービス、はいはい、作りますよ、書きますよ、仕込み図もフェーダー表も。

 3日ほど掛けて、台本の読み直し。もちろん、これまで何度も読んでるけど、照明を頭に入れてとなると、これはまた別の読み方が求められる。この長セリフ、役者を浮かび上がらせるか?クライマックスシーンはどんな明かりだ?うーん、ここは動き一つ一つに沿って照明変わった方がいいな、とか、今までほぼ白黒だった舞台が彩色され、陰影を濃くして立ち現われて来る。そのイメージに照明の器具(灯体)を選んではめ込んでいく。舞台の上に吊ったサスペンションライトと、前方からのシーリングライト、斜め前方からのフロントライトなど限られた条件の中で望みの明かりを作っていくわけだ。それも、一つの芝居にはたくさんのシーンがある。そのどれもが満足いくように考え、工夫しプランを立てる。まさにパズルだ。呆けかけた頭にゃぴったりの脳トレかもしれない。

 さらに、この設計図(仕込み図)を調光装置に打ち込んで、スライドスイッチ(フェーダー)一つで狙いの明かりが点灯するようにする。そのための補助設計図(フェーダー表)もエクセルで仕上げる。ここまでが、僕の請負!昨日、まるまる一日掛けて、どうにか仕上げた。

 後、こちらの意図を汲んで各シーンの明かりを作るのは、若い二人にお任せだ。役者たちが輝く素晴らしい照明作ってくれよな。そう、舞台は、照明で一気に現実を越えて行く。

 

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シニア演劇、壁また壁!『生前葬につき』本番まであと5日!

2016-11-18 09:31:43 | シニア演劇

 さあさ、追い込みだよ、追い込みだ。鞭をびしばし入れて、本番めがけて全力疾走!連夜の稽古も今日で4日目、明日1日休養日入れて、日曜からはぶっ通しだ。

 フレンドリープラザの舞台に装置組み立て、大道具持ち込んで本番さながらの稽古ができる。恵まれてるよなぁ!プラザの主催事業だから、最大限我がままをきいてもらえる。菜の花座じゃこうはいかない。1日借りれば数万円、暖房でも入れた日にゃ、貧弱劇団なんてぶっ飛んじまう。舞台を使って動き回れる幸せ感じてくださいよ、って言ったって、やってるシニアたちはそれどころじゃない。

 シニアの壁だ。シニア演劇の前に立ちはだかる絶壁だ。

 本番5日前の稽古って言ったら、通しを中心に演技の精度を高めていく段階だが、シニアじゃね、そうは問屋が卸さない。古い表現だなぁ、書いていながら笑っちまうよ、年寄りめ。セリフだよ。セリフがきっちり入っていない。自分のセリフも曖昧なら、周囲との掛け合いも思うに任せない。相手のセリフ、覚えてないからね。

 長セリフなんかまだましなんだ。他者との絡みないから、途中1行くらいすっ飛ばしたって、なんとかつながる。もちろん、作者としては台本通りやって欲しいとは思う、が、ことここに至って、そんなこと気にしちゃいられない。ともかく、最後までたどり着いてくれれば、御の字だ。またまた死語表現!まっ、ここらあたり、僕の適当でちゃらんぽらんな性格が幸いしてるかな。几帳面な人、セリフを大切にする人だったら、到底務まらないね。言葉使いなんかも、役者が自己流に言い替えしても、意味が通じれば、さしつけね!気にしないよ、うーん、違和感はあるんだけど。

 言葉のやり取りだと、作者が目をつぶればいい、ってわけにゃいかない。対話の相手が立ち往生して、芝居が緊急停止してしまうから。場合によっては、各駅停車が突如快速になって、三つ四つセリフをぶっ飛ばすことだってある。経験ない人には信じられないだろうが、すでに過ぎたシーンにもどってしまうループ運転、往復列車だって出現してしまう。

 今年は記憶力良さそうな人が多いから、楽々とはいかないまでも、壁はなんとか乗り越えて、演技を磨く段階に入れるものと思っていたが、いやいやどうして、シニアの壁はそんな生易しいものじゃなかった。うろ覚えのセリフを頭に刻み込むための反復稽古が主体になっている。昨夜などは、1シーンを10回以上繰り返した。もっとも、難しいセリフなんだ。他の人たちの話題から一人はみ出して、周辺で騒ぎ回るってセリフ。やり取りがあるようでないし、同じようなセリフが連続するので、どうしても覚えられないんだ。ごめん、変な設定書いてしまって。

 セリフが少ない人も悩んでいる。お年を配慮して減らしたわけだが、たまに出番が回って来るから、そのきっかけが掴み辛いんだ。つい、自分の番を忘れてしまう。そんなこともあると思って、付き添いの看護師役がセリフを先取りする仕掛けも組んではあるんだけど、どうしたって自分で言ってもらわにゃならんってセリフもあるわけだし、うーん、いかに頭脳明晰な人と言えども、記憶力の壁は容易に突破できないものなんだな。

 なんて、悩みつつも、焦燥感、悲壮感はぜんぜんない。必ず上手く行く、なんとかなる。これまで4回、いつだってそうだったから。これから5日、曖昧模糊と頭の中を漂っていたセリフが天使とともに舞い降りて、海馬や前頭葉に刻み込まれるに違いないんだから。

 今夜もびっちりセリフ入れのお付き合い、いたしますですよ。で、日曜日には通しですからね。

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舞台ができる!装置ができる!シニア5期生公演『生前葬につき』あと8日!!

2016-11-14 08:29:47 | シニア演劇

 日曜日は装置の日。今週で3回目かな、全員出で装置作るのって。今回は、クライマックスシーで登場する大切なあるものを作った。なんだい、あるものって?それが書けないのが残念!撮った写真も乗せられないのが口惜しい!こればっかりは、本番で、アッと驚く為五郎!なんてギャグあったけど、で行きたいから、絶対秘密。まず、なかなかの出来栄えだ、これなら持ち帰りしたい、って声しきりだったってことだけ伝えておこう。へへへ、勿体ぶっちゃって。その代り、舞台の方は大公開!ただし、パネルや吊りものは未公開!

 まだ骨組みだけだけど、中央に幅広の階段があり、センターから上手袖まてスロープが設えてある。感のいい人なら、わかるはずだ、生前葬だもの。おっと、ヒントも移り込んでるね。えっ、わからない?そりゃ見に来なくっちゃ。以前にも使ったことのあるスロープだけど、今回の目玉は、センター付近で直角に曲がって、客席に向かって降りてくることができる。つまり、これを使って現れる人物は観客に正面きって登場することができるってところだ。横向きで出てくるのに比べ、これはインパクトあるんだよ。裁判官だって、席の後ろ正面から出てくるだろ、あれが威厳につながってるんだ。横の扉からこそこそ出てくるのは被告人だもの。

 舞台奥に広い台が上から下までつながってる。これなんなんだ?お屋敷の応接間って設定のはずなのに?しかも2段だけど幅広階段までついてる。ここで、これまた教えられない驚きのパフォーマンスが展開する。なんだ、なんだ、またかよ。そうなんだ。どうしたってネタバレさせたくない仕掛けがふんだんに盛り込まれてるんだ、この芝居には。

 装置やパフォーマンスばかりじゃない。ストーリーもこれまた思いもかけないどんでん返しが待っている。そして、クライマックスは生前葬!あっ、こんな葬儀なら、してみたい!っておもえるような魅力的なセレモニーをお見せする。

 どうだい、見どころ満点だろ。興味津々だろ。こりゃ見ないわけにゃいかないよな。おっと、そうだった。残る仕掛けがも一つあった。こちらは装置屋さんの腕の見せ所、見事決まりましたら、拍手ご喝采のほどを!ってことで、今回もシニア演劇学校公演、外連味たっぷり!お楽しみ100%でお待ちしているよ。

 『生前葬につき』本番は23日(水)午後2時開演だ。

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