ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

裏切り成功!菜の花座『悪人なおもて』

2024-06-24 17:51:23 | 菜の花座
なんだ?この静まりようは。

暗闇の中、黒装束3人の女、一人は扉を開け、二人目は高窓を乗り越えて、三人目はなんと配管工事用扉から、それぞれ登場し、事務所を探る、こんな滑り出し、スリリングな幕開け、のはずなんだが?

続くシーン2じゃ、不慮の死を遂げた国会議員の未亡人に秘書があの手この手で出馬を促す光景。
渋る夫人に秘書が繰り出すお気楽議員生活のあれやこれや、居眠り議員あり、質問で持ち歌披露の元歌手あり、元アイドルの手話アピールあり、エッフェル姉さんの話題もあれば、赤ベンツ不倫、秘書給与不正受給、一方で手厚い議員の特権と報酬。当然裏金問題も政治資金規正法っていう旬の話題も盛り込んで、秘書役の役者大奮闘!



勝負所なのに!

えっ、うけないの?

ヤバいぞ、ここで一気に笑いの渦を巻き起こして、一気に中段のミステリー仕立てになだれ込もうって算段だったのに。滑ったか?躓いたか?

役者たちは1週間前とは打って変わって、スリリングな緊張感を醸し出している。うーん、菜の花座の役者も上手くなったもんだ、ってここで満足してちゃだめなのよ。

無難にそつなく演じていよいよ後半。おっ、なんか空気が和んで来たぜ。パワハラセクハラ上等の地元政治家とか、愛人まがいの秘書とか、利権にまとわりつく土建屋後援会長とか、悪人が大手を振るって舞台を仕切り始めたからか?



そうか!嘲笑で笑いのめすためには、目の前に悪い奴らが必要なんだ。伝聞をいかに面白おかしくしゃべって見たって、笑いを引き起こすスターターにはならんってことなんだ、うん、勉強になった。

後継指名を得るべく必死で画策していた秘書も、権謀上手の腹黒政治家に足元をすくわれて、残る一手は媚びへつらいのみ、ここで一気に、敵の姿が定まった。



と、なると、取り残された女たちはどう挽回するの?

ここで最初のどんでん返し。表向きの政治資金は腹黒政治家に持ち逃げされたが、どっこい官房機密費からの裏金3000万円は、現金で隠してあった!

この願ってもない大金をどう使う?

夫人の意思は、ガールズハブ!女たちによる、女たちのための、憩いの場、英気を養い、社会に出撃する拠点を作ろうというもの。盛り上がる女4人、高級フランスワインで乾杯。



高揚した気分で踊り始める、曲はK-POP『クイーンカード』妖しく盛り上がる。

お客さんよくわかってる。菜の花座の大団円は、こうだよ、こうでなくっちや。どんなに酷い展開でも最後はほんわか幸せムード。拍手に芝居のジエンドを共に祝う暖かさが溢れた。

その瞬間!

二度目のどんでん返し!作ってあったんだぜ。

なぜか、金の臭いを嗅ぎつけたパワハラ被害の運転手が突如登場。金を奪う。それをきっかけに、今までの協力体制はあっという間に崩壊。女たちも入り乱れての欲望全開の争奪戦が始まる。



そして、最後は狂った運転手が金をばら撒き、それに群がる女たちの右往左往の見苦しさで暗転する。



どうだ、これは思ってもみない結末だったろ。完全にお馴染みさんの思惑をひっくり返してやったぜ。
しかも、その裏切りに、観客も大喝采!
よしっ、よしっ!

菜の花座らしさを手玉に取った圧巻の終末?

騙され、引き回されたご贔屓さん方も、心地によく拍手を送ってくれていた。

ということで、終わりよければすべてよし!

気持ちよく打ち上げの酒飲むぜ!

あっ、俺、車だからのからノンアルで乾杯だった、残念。




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いかん!頭が回転せん

2024-06-23 07:47:23 | 菜の花座
装置と道具の運搬に頭と体の8割がた使ったろ、そのあと装置の建て込み、わぁ、もう限界突破だぜぇ!

疲れを騙くらかすのに、飲み物頻繁!チョコレート70もひっきりなし。
それでもまつわりつく疲労の重装備!

いかん、メンバーに掛ける言葉が刺々しくなってきたぞ、年寄りばっかなんだから。優しくな、穏やかに!

救いは装置が簡略なことと、仕込みに2日もとって余裕たっぷりなことだな。
いいのいいの、今日中に色作り終わりゃいいんだから、ってこのゆとり。

って、ことで照明の当たり合わせが終わって4時半、遅っ。まっ、短い作品だし、色物シーンは少ないから、3時間ありゃ終わるさ。

そうか、珍しく最年少・若手1が朝から出て来てる。だったら、役者一途だった彼女にもフェーダーの上げ下げくらいは知っておいてもらおうか、じゃ一緒に調光室へ、って、セクハラじゃないからな、二人きりになったからって。

最初は、偉そうに教え諭していたんだが、やっぱり若さ、たしかに優秀、色作り始まったら、若手1、めちゃめちゃフェーダー覚えてやがんの!
って言うより、こっちは夕暮れ黄昏脳で、まったく頭脳回転せず、どのフェーダーでどの明かりが点くかもおぼろおぼろの霞の彼方。前も後ろも上手も下もも、ピンと来ない、やたら構わずフェーダーを上げ下げする体たらく。

あっ、認知症てのはこうやって脳の解像力が弱まって、理解力が遠のいていくんだ、きっと。恐ろしい!

と、不安に慄きつつも、まっ、ここは若いむ者に花を持たせて、って、全部、おんぶにだっこじゃねえかよ。

フェーダーの選択はお任せして、舞台の明かりをあれこれケチつけることで存在感を示す、って、これ役に立たなくなった上役の典型だな。

なんとか4時間かかって、ようやく照明完了。



待たせに待たせた役者たちに舞台を明け渡してみたら、これがまた疲労困憊でミミズののたうち、それは言い過ぎだが、ついつい声を荒げてしまった。

大丈夫かい?あと一日で形勢逆転、一発勝利と行けるのか?わぁ、もう絶望だぜぇぇぇぇ!





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装置積み込みは頭の体操!

2024-06-22 07:55:19 | 菜の花座
いつもながら、多いぞ装置に道具類。
それも事務机とか特大応接セットとか嵩張るものばかり。



これにさらに壁パネるが8枚!しかも外に電柱あり。

調子こいて窓から電柱よじ登って侵入、なんて小癪な設定作るから、もう。イントレとか足場のロッカーとか。

運搬には2トントラックと軽トラ各一台。
無理だろどう見たって、2回に分けて運ぶしかないぞ、との声が支配的、っていうより反対派は俺一人!
 
もう、ここは意地だぜ。絶対1回で積んでやる。

積み込みのコツは、パネルを両側に立てて中を机とかかさ張るもので埋める。こうすれば、丈の高いパネルも倒れることなく運搬できる、これに尽きる。
ただ、今回はその他の規格外品が多過ぎた。



イントレとか、椅子6脚とか、バカでかい応接セットとか。

さぁさぁ、どう積みむの?いや、これほんと頭の体操!

積み込むほどに、こりゃ不可能って声も高まってきて、2度で運ぼうとの提案もそっちこっちで上がってきたが、なんの、

積み込み達人としちゃ、頑として認めるわけにゃいかない。考える!工夫する!常識にとらわれない!なんとかする!諦めない!

決め手はこれだな、諦めたら終わりよ。

人生とまったく同じだなぁ、ダメだと思ったところで道は閉ざされるのさ。

最後の難関は、枠組み付きドアパネル!嫌な奴が残っちまったぜぇ。
パネル類と別の場所に置いてあったからなぁ、つい見過ごしちまったんだ。

うーん、どうする?
ここで発想の転換!ソファとロッカーとの隙間に上から落としめ!

借りもののソファ汚さぬように毛布を敷き詰めて4人掛かりでドアパネルを突っ込めた。



残りは椅子だけ。これらは団員の車に積んで、一件落着!

お見事!あっ、もうこれで1日の仕事は終わったぜ。

なに?この後、建て込みして、照明作りするってか?!




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公演直前、なのに新作準備?

2024-06-21 12:36:23 | 菜の花座
菜の花座、公演『悪人なおもて』4日後!
役者たち、尻に火が付き七転八倒?

明日からは舞台装置や道具の搬入準備も始まる。
えらいこっちゃ!

次回作の目途がまったく立っていない!

そうなのよ、座付き作者は常に半歩、いや数歩先を行くのさ。

社会性のあるテーマ、女性が中心で、ってところは決めてるんだが、時代も課題も人物も、まったく心当たりなし。アンテナは張っちゃいるんだが、どうやら旧式型落ちの上、製品としの劣化も甚だしいらしくて、さっぱり、情報をキャッチしやがらない。

だったらせめて、本くらい読んで彷徨えよ!

って、これが実は今最大の障壁なんだ。
目が老化して活字が読めない?そこまで老いぼれちゃいない、が、集中力は確かに落ちた。
が、問題はそこじゃない。

読みかけた大作?進まないのさ。なんとか我慢して終盤までたどり着いたのが10日ほど前、あと100ページ!一気に終わらせろ、ってページを開くんだが、数行、あるいは数ページ読んで脱落、PCにネトフリに逃避しちまうんだ。

作者は、作品名は?控える。ヤバイ本か?うん、そこそこにエロくてヤバイ?

くだらない作品なのか?いやいや大きな賞を3っつも同時に受賞って、折り紙付きの名作なんだ。
だけあって、文章も巧みだしストーリーの展開などもさすが!の連続なんだ。斬新だし、常識を突破する破壊力も十分に備えている。

だが、つまらない!
俺の関心領域から離れている、テーマもストーリーも人物設定も。

10年前ならなぁ、気に入らなくても、勉強だ!とか、イケイケ一気、最後まで読み終えたところなんだろうが、
この歳になると、
なにも興味ないことに付き合ってる暇はないぜ、人生残り少なだし。って、我がまま気分が大きな顔を突き出して来るのさ。
そうさ、この先読める本だって高が知れてる、気に入らなけりゃさっさと見捨てて、お次どうぞ!お気に入り探してふらつきゃいいのさ。
って、何度もそそのかされているんだが、うーん、なんかなぁ・・・

なんか、ここでこの本見限るってのは、自分の知的忍耐力の敗北を認めるような気がして、残り100ページ、目をつぶって飲み干せ、って眼閉じたら読めないだろ。
悔しいような、勿体ないような、己の無能を突きつけられるような。

うーん、どうする。この悩み行き惑った10日間で、きっと新たな出会い、新作のヒントとの遭遇もあったかもしれんぞ。
思い切って、諦める、見限る、放り出す。
それしかないのかも知れんなぁ、
いやいや待てよ、たかだか数時間の辛抱なんだぞ・・・

果たしてこの結末やいかに?




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菜の花座公演『悪人なおもて』へラストスパート!

2024-06-17 08:49:49 | 菜の花座
いよいよ、あと1週間!

いつものことだが、本番あっという間やって来る。
まだ仕上がってないよぉ!
まだ、せりふ入ってないよぉ!?えっ、ウソだろ??

って、誰だって不安に思うよな。せっかく、コメディ役者誕生!と、目一杯セリフも登場シーンも増やしてやったのにぃ、

おい、チャンスなんだぞ、しっかり掴め!

って、ことで、綱渡り、ちょくちょく落下の通しだった。が、まぁ、なんとか渡り終えたかな。

あんまりだぁ、これじゃ舞台開けられない!って声が轟然と湧き上がって、明日から本番まで毎日稽古することになった。
って、言っても仕込みもあるし、道具の積み込みも組まれてるし、ゆとりはまったく保証外だ。
あとは、役者の自覚あるのみ、って、演出の責任は?

いや、俺は、挿入の音楽拾ってきたし、後は、書き足したラストシーンの動きを完成させるだけだ、って違う、違う、まだまだ動きもセリフ回しもぎこちないんだ、これだってとことん手を入れ、口を挟んで直して行かんとな。

で、場転の時に流す音楽なんだが、なんと!

Darty Dozen Brass  Band 



ニューオーリンズ生まれのファンキーでソウルフルなブラスミュージックだ。1977年から活動継続中!って、もはや、ジジイバンドだな。
が、これがとてもいい。コミカルな味わいに乾いた情感があのニューオーリンズバンドのリズムに乗って歩きまわる。

もう直感だぜ、これ思い出した時は、やったぁ、解決だぁ!って踊り上がった、が、団員の評判は、

なに?これ。チンドン屋のアメリカ版?
こんな演奏、この芝居に合うの?

ってほとんど無視!

いいさ、いいさ、絶対はまちゃうんだからね、って、音楽挿入を強行。

ほら見ろ、この作品『悪人なおもて』の場転にぴったりじゃないか!
って納得してんの俺だけか?

いや、大丈夫、信じなさいよ、俺の音楽センスをさ。前回作品のK-POPだって意表を突いたが、使って見ればはまってただろ。
作品の持ち味、雰囲気に音を合わせるのにゃ自信あるのさ。それも、在り来たりのマッチング狙わないところが、凄い!ってなに手前褒めしてんだよ。

誰も感心してくれないからね、団員は。

でも、自分じゃ、こういう何気ないところのきらりとセンス、大切だと思ってんだよな。

まっ、眉に唾しながら幕間を楽しんでくれよ。
って、違うだろ、楽しむのは芝居の方だちゅうの。






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