泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

カチンの森

2010-02-03 00:08:45 | 丹下一の泡盛日記
 火曜日午後、岩波ホールで「カチンの森」を観た。80歳を超えたアンジェイ・ワイダ渾身の最新作だ。
 1985年頃だったか、はじめてカチンの森事件のことを知ったのは。
 以後、ポーランドとも関わるようになり、この捕虜となったポーランド軍の将校ばかり1万5千人が行方不明になった事件の記事やコメントが出るたびに読んできた。
 もう今ではたくさんの人が知るところとなり、誰でも自由に話すことができるが、映画はそんなことはあり得ない時代があった事を伝えてくれる。

 冒頭、雲の色をみるだけでポーランドを思いだす。そして、橋の上をドイツ軍から逃げる群衆が橋の向こうから赤軍(ソ連軍)から逃れてきた人たちとはち会わせる。どちらに逃げてよいのか橋の上で迷う人々。ポーランドを象徴する映像だ。
 決して激しくはないが重い説得力をもって迫ってくる映像は時にあまりにも美く切ない。
 アウシュビッツとともに後世に伝えていかなければならない事件だ。

 ちょっとうれしかったのは、字幕のおかげもあって思ったよりも言葉が聞き取れた事。
 「こんにちは」「ありがとう」「おやすみ」「ありがとう」などはもちろんのこと。時刻、数字、いくつかの単語や右、左といった基本の言葉はけっこう忘れていない。
 そしてクラクフ・ロケの映像では「ああここにいた事がある」というものもいくつか。
 ポーランドに行きたくなった。
 こんな時代をいくつものりこえてきて、そして美しく優しい友人たちの事を思い出した。

 その後、雑用やオーディションをすませ11時すぎに帰宅。
 待っていた娘2、受験初日はまずまずの出来だとか。
 なんだか知らんがぴとぴとくっついてきて甘える。
 夜中だというのにクレープを焼いて紅茶を入れる。
 で、気持ちを切り替えて、これからイーウーマンの原稿書きます。

 迦樓羅舎のサイトのフォトギャラリーに那波智彦さんが撮影してくれた金沢の舞台の写真をアップしました。
 http://www.yui-international.com/karurasha/photo.html
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