今回の仙台は、旧OCT/PASSの宿利左紀子さんが立ち上げて下さった「演劇ユニット石川組」の第1回公演に立ち会うため。
自分は故石川裕人さんの舞台は30本以上立ち会っているのだけど。
この戯曲「隣の人々 静かな駅」は、知らなかった。
劇団ではなく石川裕人(個人の)事務所での舞台だったそうで。
今回の演出は、横山真さん(丸福ボンバーズ)。
初めてお目にかかる方だった。
出演は、前回も出演した絵永けいさん。
そして、この戯曲は初めての旧十月劇場〜旧OCT/PASSのお馴染みで懐かしい面々が。
本当に素晴らしい舞台だった。
テントでの公演も、臓器移植などを扱ったドキュメンタリーな舞台など劇作家、演出家として幅広い世界に向き合って来た石川裕人=ニュートンの魂が結晶して美しい宝石となって静かに輝いているような65分だった。
(余談だけど、初演は80分だったそうで、今回はアドバイザーにまわった役者がその15分を「只一人で創りあげた」に違いない!)
それは、隠されていた何かがむき出しになるという「ドラマ」ではなく。
きっとそうに違いないと観客に思わせて、丁寧な手つきでそれが現れてくることに深い共感を呼ぶ。
心のスイッチがやさしく押され続け、自分の記憶がいくつも蘇ってくる。
そんな時間だった。
そして、劇場を出た後も「余韻」ではなく、自分の心の中で4人の役者たちが提出してくれたその「時間」が続いていく。
なんて素敵な芝居/演劇作品だろう。
ニュートンの奥深さに改めて気がつき、そして、それを具現化した人たちに深く感謝。