泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

カトビッツェで会合

2023-04-02 14:38:08 | 丹下一の泡盛日記
クラコフの古い建物には間違いなく地下室があり、
それぞれに動物の名前で呼ばれる、と最初に来た時に聞いた。
それはカントルのクリコット2が「水鶏」を上演した地下室に案内してもらったからで。
雑誌に掲載された白黒の写真1枚しか情報がないような時代で、
写真と同じ地下室に立った時には感動した。

こんな空間で自分の舞台作品を上演したいなあ。
この日、連れ合いはオフシエンチム(アウシュビッツ)へ。
2回体験している自分は今回の「お仕事」の一つ、カトビッツェへ。
クラコフ駅から乗った電車は古いタイプで懐かしい。
座席指定のスタイルが最初わからなかったのだけど、
思い出した!
60分でカトビッツェ駅に。初めての街。
この近くのビトムを拠点にする演劇人と初会合。
まあみんな大変だなあ。。。
その後「どうしたい? 市内観光でも?」と聞くので、
「あなたたちの劇場が見たい」と応える。
当然のプライオリティだ。観光は二の次。
若い劇団員二人が案内してくれることになった。
車で30分ほどの、かつて炭鉱で栄え、今は衰退してしまった街の炭鉱施設後を劇場に改装している。
想像以上に素晴らしい大きなプロジェクトで。
12年前に始めたのだそうだけど、さすがに驚いた。
YouTubeの映像で見た劇場は不思議な既知感があるのだけど、
その規模に圧倒された。
観客動員が問題だそうだけど、様々な形で街と共存しようとしている。
何よりも行政の支援が欠かせない。
行政の担当者が「ウクライナ支援の演劇なんかよりも、同じ料金払うなら自分はスタジアムに野球を見にいく」という国から来ている身では、いつものことながらため息が出る。
二人が劇場内の稽古場や子供向けワークショップの部屋など、施設を次々に案内してくれる。
その後、街中を案内しながら街の歴史を説明。
この街の歴史と今置かれている問題などがよく理解できた。
彼は30歳で地元の演劇学校を卒業しているという。
演劇の話だけでなく、彼の子ども時代(1990年代後半)、いかに日本のアニメがポーランドの子どもたちの心を掴んだか、などの話も興味深く聞いた。
やっぱりポーランドは、エネルギーをくれる。
クラクフに戻りハンガリー料理でズブロッカ(^o^)/
コメント
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