泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

頂いた豆の美味しさに蘇った記憶

2021-05-15 23:09:05 | 丹下一の泡盛日記

土曜日は、コロナの季節で昨年は開催を見送ることになった冬のイベントの打ち合わせ。
初回から10年間をご一緒してきた。
電車に乗って遠くにお出かけ(60分だけど)は久しぶりだなあ。
形を変えて開催したい、とのこと。
会議は、いい感じで終了。

帰宅して大事な先輩から頂戴した豆をさっと湯がいて、塩で。
美味い。
こういう味が嬉しい。

10年前、このイベントの公式な打上げの後、
ボランティアでスタッフとして参加してくれた二人の女子大生を連れて、
この先輩と飲みに行った。
この先輩が誘ったので、自分はついでに誘われた「安全装置」みたいな存在だったのだろう。
今ならそういうことは控えちゃうんだけど。
その二人は、お洒落でスタイルもよく、都会的な若さが眩しかった。
立ち居振る舞いもきちんとしていて、知性も感じて。
そして適度に弾けていて、こりゃ男子はほっとかないぞ、てな女子たちで。
なぜか、打ち上げの席で自分の隣に座っていたのだった。
というか、その末席のテーブルはボランティア参加の女子大生たちと(一人の男子と)
自分の場所だっただけで。
「おい、そこ、羨ましいぞ」と言われたりしていた(-_-;
先輩の誘いで、一緒に「次」に行ったのだけど、
二人ともその日は、自分の直属のスタッフだったこともあり、
感謝の気持ちもあり、かなり楽しく話していた。
そして、ある瞬間、「あのお、、、」と、とても深い相談を受けたのだった。
もしかすると、その話をしたくて、来たのかもしれない。
自分が感じた二人の美しさは、
その悩み、そこで生まれる問い、に向き合う真剣さ、
から滲み出てくるものだったのだ、と得心。
気がつけば酒をお代わりすることなく真剣に向き合っていた。
改めて見た二人の顔(彼女たちは飲まなかった)は、本当に美しかった。
あれから10年、あの娘(こ)たちの今に幸多かれ、と思わずにはいられない。
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「次へ行け!」と叫んでいる

2021-05-15 22:53:24 | 丹下一の泡盛日記
金曜日、緊急事態宣言が延長されなければこの日は千穐楽だったんだよな。
と小さな心から逃れられない。
ギャラが入る仕事は今月1本だけになってしまった。
まあ、いきなりドアを叩き破った警官に問答無用で引きずり出されたりしないだけいいのか。
不法滞在で拘束されて、何を言っても嘲られて死んでいくよりは、いいのか。
特高、特別高等警察、の恐ろしさ、理不尽さは子どもの頃、ドラマや映画で散々見せられた。
朝の連ドラにもよく登場したし、街で偉そうに説教するおっさんもよく登場していて。
ああいう人たちはどこに行ってしまったんだろう、と思っていた。
だって怖かったんだもの。
やはり消えてはいなかったんだ。
密かに水脈は続けられていたんだ、と思う。


パソに向かい決算報告書をまとめる。
20歳の時に連載のお仕事をいただいて、確定申告も。
今も基本的に帳簿はつけていて、徹夜で確定申告の書類をまとめて、ということはない。
それでも個人のものとTama+ projectのものはまた別で。
帳簿をまとめていると、どうしても振り返ることになる。
なぜか2年前は周辺で旅立つ人が多くて。
香典やお線香代なんてメモを見ると、ああこの日だったのか、と再確認したり、
飲み屋の領収書から、あの突っ込んだ話はこの夜だったのか、とか思い出す。
なんせ2ヶ月前のことはもう覚えていないのだもの。
そして、その全てが「次へ行け!」と叫んでいる。
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