泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

濃い稽古の後は腹が減る

2011-08-20 20:21:15 | 丹下一の泡盛日記
そんなわけで今日はプレイバッカーズの稽古。
3人が大分にワークショップに出かけ、仕事の本番で1名が休み。
残留組5人で稽古。
といっても濃い5人なので、すごく深い時間になりいい稽古になった。
5人全員がテラーになったのだが、不思議だねえ。
「手放すから新しいものが入ってくる」というストーリーがつながっていく。

ランチの時間。
例によって自分はお弁当。
娘1が玄米から自宅で精米してくれた米を炊き、かみさんが漬けた梅干し。
ベジミートを自分がとった中華出し(ホタテと椎茸の干物なんかと)に漬込んで、キャベツや辛いピーマンと炒めたものなど。
別容器にうちのぬか漬けを入れてお裾分け。
さげちゃん(捧箸一男)が「これじゃ外食できないでしょ?」と。
そうなんだよね~。

ちなみにバッグには3本のペットボトル。
コーヒー、日本茶、ウーロン茶。
全部自分でいれた。だって自販機で買うより美味しいんだもん。
美味しいもの、旨いものだけ食べて生きていたいとは思わない。
だけど不味いものばかりを食べて過ごすのは嫌だ。

それにしても台北や香港でお弁当持って行きたいと思うことは無い。
香港で友人と行く店は大抵は普通に質素で「すごく美味しい!」とは言えないところも多々あったが、不味いとは思わなかった。
東京や横浜では、見かけはそれなりだけど味はひどいところが増えている気がする。
もちろん東京は「都会」だから金さえ出せば問題ないのだろうけれど、それでは文明国とか先進国とは言えない、と思う。
ま、アメリカがすごいから、いいエクスキューズになっているのだろう。

4人も子どもがいた我が家(実家)は、かつて経済的に大変だったんだろうと今では理解できる。
(ごめんなさい、お父さんお母さん。わかるまで50年もかかった)
そして、出かけるたびに外食したくてたまらなかった。だっていつでも「お弁当」だったんだもん。
のれんや店の外に張り出された「ラーメン」とか「カレー」とかをみるたびに食べてみたいなあ、と思っていた。
このあたりは同い年のかみさん(4人姉妹)もまったく同じだったようだ。

今でも京都なんかで本当に美味しい小料理屋なんかに連れて行ってもらい白木のカウンターにぽいと小鉢が置かれたりすると、もうそれだけでどきどきしてしまう小心者。
ちょびっとずつ味わい「美味しいなあ」と思いつつもドキドキをごまかそうと酒ばかりあおってしまって肝心なことを逃してしまうわし。

学生の頃はもちろん、芝居を始めてからは早稲田や神保町辺りの一膳飯屋に行くのさえ贅沢だった。
そんなご飯屋さんのサバ焼き定食(520円!もした。時給500円の時代に)や天ぷら定食(450円もした!)は自分にとってのご馳走で、今もその味を覚えている。
今でもサバ焼きには「思い」があるのだ。
どちらの店も今は無くなってしまったのが残念。
また食べてみたい。

というか28歳の頃、早稲田で稽古していてこの天ぷら定食を食べてみたら美味しかったのだが、ご飯が多すぎて残してしまった。(天ぷらは完食)
そうしたらおばちゃんが、もったいないからと言って残ったご飯をおにぎりにして「夜食にしなさい」ともたせてくれた。
この早稲田の店は、高校生の頃NHKの「新日本紀行」という番組にも登場した。
未だに忘れがたい店。
やっぱりまた行ってみたい。
外食が嫌になってしまっているが、あんな店に出会いたいなあ。
コメント
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