泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

退治される側

2009-05-28 18:47:42 | 丹下一の泡盛日記
 党首討論、やっぱり物足りない。期待しちゃいかん、とは思いたくない。期待するのが当たり前になってほしい。物足りなかったら選挙で意思表示。
 西松建設問題、民主党側と同時に自民党でも多くの議員の名前が挙がっているが、検察は追求に限界を感じていると一部の報道。
 やっぱり検察も相応の裏取引で動いているんだろうな。

 自民党の中川元幹事長は「次の選挙で民主党政権が誕生するので、解散に追い込んで来年の選挙でひっくり返す」というビジョンを持っているとか。
 もうほとんどゲーム感覚だ。政策のビジョンなんてどこにもない。

 テレビドラマなどで、最後は正義の味方が悪い人をみいんな退治してくれるストーリー。自分もこの爽快感が大好きだ。
 そして、これは見方を変えれば、暴力に訴えて解決するストーリーでもある。
 先日テレビから「この国を守るために、お前らみたいなやつらは許さねえ!」という台詞が聞こえてきた。その後画面には、ばったばったと殴り倒される「悪役」たち。
 なんだかわからないが自分も「国を守るために」「退治される」側のような気がしてしまう。

 20代前半の頃「学生運動なんてやってるのはどうしようもない連中だ。親が必死で稼いだ金で大学にいかせてもらいながら、ろくに勉強もせず悪い思想にかぶれて暴れまわっている。最低だ」という意見の人と延々と話したことがある。
 自分はこの少し年上のWさんの意見に否定的な立場で話していたのだが、彼の意見にも一理あると思っていた。
 当時「運動」に主体的に関わっていた人で今もまっすぐに活動を続けている人はどれほどいるのだろうか。(と当時も思った)
 飲み屋などで「昔も俺は~」という話をさんざん聞かされ見聞きしたが、その程度で終わることだったんだといつも否定的な気持ちになった。
 自分に興味があるのは「今」そして「これから」だ。「昔やってた話」ではなく「これからどうするか」だ。

 Wさんはしきりに「日本は素晴らしい国だ。まず国土が美しい」と訴え、自分は「国土は美しいが、政府がどうも」と応えていた。
 「だからさ俺たち若いもんが一生懸命この国を守んないといけないわけよ」。
 「いや、あの、美しい自然は大事にしたいんですけど、別に政府とかは守りたいと思ってません」「ああ、もうわかんねえやつだなあ!」
 と会話はとめどなく続いた。人間的にはいい人だったんだけどねえ。

 今日は雨。車の中でフィンランドのヘビメタ・バンド、LORDIを聴く。KISSのファンクラブ・フィンランド代表だった人が立ち上げたバンド。
 魔物が異端の少女を救いに来るというストーリーの曲がいい感じ。
 異端の少女や森からやってくる魔物たちが「退治」されない世の中でありますように。
コメント
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