泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

匂い

2007-04-03 17:40:38 | 丹下一の泡盛日記
 今日はいきなり冬が来たような寒雨。犬散歩も早々に引き上げる。花びらはばらばらと散っていく。気がはやいなあ。

 自分はここ10年以上、嗅覚神経をおかしくしていて、数年前までは年に1,2度匂いがわかる時もあったが、ここ数年はまったくわからない。花の匂いもわからなければ、雨に濡れた草や土の匂いもわからない。

 寝ていておしっこがたまってくるとトイレにいる夢を見る。昨夜もそうだが、夢の中のトイレはいつもとても汚くて、用を足すのに勇気が必要だったりアクロバティックな姿勢をとらなければいけなかったりする。これが気持ちのよいトイレだとおねしょになってしまうのだろう。

 昨夜のトイレも東南アジアかどこかの記憶から来ていると思うが、ひどかった。そして、あきらかに鼻を刺すような匂いがするのだ。

 夢の中だけでなく、ふと記憶の中の匂いが立ち上ってくることがある。それは、子どもの頃の友人の家の匂いやランドセルの皮の匂い、新人の頃の劇場の下の喫茶店で豆を焼く匂いなど、場所や時間の記憶に即座につながる瞬間だ。

 匂いとはいったなんだろう。いつかもう一度匂いを味わえる日が来るといいな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする