泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

仙台

2006-12-02 23:25:05 | 丹下一の泡盛日記
 久しぶりに仙台に行ってきた。「ハイ ライフ」という舞台を観るために。「見る」ではなく「観る」、そして観るというより「立ち会う」ために。

 男4人のハードボイルド芝居なのだが、出演者の一人は茅根利安さん、一人は米澤牛さん。どちらも知る人ぞ知る在仙の名優。全国各地で活躍している。
 そして2人とも20年来の付き合い。互いの舞台に客演しあったことが何度もある。お互いの家に泊まった回数なんか数えられない。公演前は当然泊り込み。
 牛(ぎゅう)は「何度も同棲しましたね」と笑った。

 茅根さんは、しかっていただいたこともある大切な先輩、というよりめったに使わない言葉だが「兄貴分」だと思っている。

 茅根さんは、自身が旗揚げメンバーで26年在籍したIQ150を退団して初めての舞台。二人の初競演に立ち会うために新幹線に飛び乗った。

 少しだけ余裕があったので久しぶりに町を歩いてみる。二人との関係だけでもお分かりのように、仙台は自他共に認める演劇人としての僕の第二の故郷なのだ。

 駅から国分町方面に歩く。敬愛する仙台の演劇人・石川裕人大兄(旧十月劇場座長)が愛した今はなき「鶴仙」のある飲み屋横丁なども歩く。大兄と牛と鶴仙で飲んだこともある。
 あの店もこの店も入ったことがある。飲んだことがある。新宿、早稲田の次に詳しいのは仙台の国分町、一番丁界隈かもしれない。
 ここには、十月劇場(現OCT/PASS)のアトリエがあった。そして大好きな劇場空間「141」があり、どちらも何度も舞台に立たせていただいた。十月劇場のアトリエにコタツ持込みで泊まりこみ、141で公演なんてことも石川大兄は、笑ってやらせてくれた。

 「ハイ ライフ」の舞台も面白かった。幸せそうに精一杯闘っている役者たちに心からエールを送った。終演後は、なじみの飲み屋に。地元テレビ局のスター女子アナ(出演者の奥さん)もいる。地元チームは、本人見てちょっと興奮。

 芝居の話でがんがん盛り上がる。至福のとき。
 「食えない」とこぼす若い役者に「40までは食えるわけない」牛曰く「俺なんか年収二桁=**万円とかだったもん」「それでも不思議に食えた。だから金のことなんか考えるな!」なんて言って盛り上がるのは、年取った証拠だなあ。
 
 仙台のことを書くと長くなっていかん。

 今朝、(まだやってたのか!)珈巣多夢(かすたむ)でコーヒーを飲み、太助で牛タン定食。カウンターに一人座っていて振り返ると小さな座敷。ふと、その壁際に仲間と座り、お昼ごはんにビールと牛タン定食に舌鼓を打ちながら、熱く語っている20年前の自分の姿を見たような気がした。

 帰宅して、あきいこ先生(柴内晶子さん)のウエディング・パーティーへと急いだのであった。。。
コメント (1)
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