たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

安倍首相と麻生副首相に読ませたい本

2019年06月25日 | 読 書
 最近、県議の時に取組んで来た県職員や外郭団体職員等の労働条件や雇用を守る取組みについて、冊子にまとめる作業をはじめたことを報告しました。
 この作業は、まずは資料集めと整理で、私の田中県政時代までは更新した今も公開している私の「たけちゃん情報」http://www.ne.jp/asahi/nagano/21/のホームページ、また、村井知事後ブログでの更新に転換した「たけちゃん活動・生活日誌」https://blog.goo.ne.jp/take123htのブログに書かれている20間の活動をチェックし、その中から関係する記事をワープロ画面にコピーすることから始まります。
 20間のチェックは大変な作業で、一日2~3年間が進めば良い方で、まだ、時間を要しそうです。
 そんな中、今でも通用する以上に、是非今こそ読んで欲しい記事を幾つも発見しました。
 そこで、今後、これらの記事について、紹介して行きたいと思います。
 今回紹介するのは、2009年10月30日更新のブログで「読書の秋(4)」として発信された、「差別と日本人」に関する記事です。
 
「差別と日本人」
 
 読書の秋の4冊目は、「差別と日本人」です。
 この本は、野中広務元衆議院議員(元自民党幹事長)と辛淑玉(しん・すご)人材育成コンサルタントとの対談をまとめ、辛淑玉氏が解説を加えた構成でなっています。(角川新書・6月10日初版発行)
 この本は、確か今年7月頃、東京の書店で買った記憶がありますが、その時、新書コーナーの売れ行きナンバーワンでした。
 その後、人権に関する本が何で売れているのが興味を持ちながら読んでみると、被差別出身である野中広務氏の政治家としての取り組みや人柄が良く分かるとともに、在日朝鮮人として差別されて来た辛淑玉氏の実践を通した幅広い繊細な人権に対する思いが伝わって来ました。
この本には、野中宏務氏が自らへの差別の経験から「差別をなくすために政治家になろう」と決意したことや、町議、府議、国会議員として様々な差別問題に信念をもって取り組んで来たことが書かれています。
 また、「差別の他に、私が力を注いできたテーマに、アジア問題がある。」として、自らの軍隊経験から日本軍が中国に残して来た「遺棄科学兵器」の処理問題、遺棄された残留邦人、原爆で傷ついたアジアの人達等々、この戦後未処理問題を民族の恥じとして処理にあたるとともに、現役ではなくなったこれからも取り組みたい決意を示しています。
 さらにこの点については、「あとがき」で野中氏自ら「この問題を解決していかなければいけないという責任感が国家にも政治家にもない。過去、自分たちが迷惑をかけたことを忘れて、国際貢献の名の下にソマリアに自衛隊を派遣したり、竹島問題や尖閣列島の問題が出たら、欲求不満を爆発させるかのようにワーッと騒ぐ。また、北朝鮮がミサイル発射問題などで騒ぎを起こすとたちまち、戦争ごっこみたいに自衛隊の軍備を拡大しようとする声があがる。街では非正規雇用の人たちが餓死寸前になっているというのに、そういうところには気前よく税金を投入する。政治家の目はどこを向いているのかと言いたくなる。弱者や虐げられた人に対する政治家の「鈍さ」は、差別と根っこでつながっていると思うのだ。」とも述べて痛烈に批判しています。
 しかも、対談者の辛さんが当時は総理大臣であった麻生太郎氏の人権感覚について、「麻生氏は、植民地支配で財を築いた麻生財閥の中でぬくぬく育って、首相にまで上り詰めた。麻生財閥を構成する企業の一つ、麻生鉱業は、強制連行されてきた朝鮮人を強制労働につかせ、消耗品の労働力として、その命を紙くずのように扱った。」、「また、麻生鉱産は民を一般の労働者と分け、民専用の長屋に入れて奴隷のように酷使した。」、「私は麻生さんの顔を見ると背筋が寒くなるんです。とくに彼の中にあるひどい差別意識には、ぞっとさせられる。」と語ったに対し、野中氏は、次の様に本音を語っています。
 それは、「まだ麻生さんが総理になる前の、2001年4月の頃だったけれども、ある新聞社の記者が僕に手紙をくれたんです。手紙には、こんな内容のことが書かれていた。『麻生太郎が、3月12日の大勇会の会合で『野中やらAやBはの人間だ。だから、あんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハ』と笑っていた。これは聞き捨てならない話しだと思ったので、先生に連絡しました。 
 彼がそれを言ったとき、その輪の中に数名の政治家がいたらしいのだが、その一人が、今は国民新党にいる亀井久興君だった。私自身が亀井君に確認したら『残念ながらそのとおりでした。』と言ったそうだ。」とも語っています。
 この本には、他にも表に出ていない政治家の本当の姿が出てきて、日本の政治の三流さを思い知らされます。
 前に紹介した「村山談話」でも痛感しましたが、政権交替はしたものの、戦争体験のある政治家が貴重な存在になる中で、戦後未処理問題など残された課題の行方が心配になりました。
 それにしても、この本は対談者である辛さんが対談に加えて詳しい注釈を付けており、この注釈も繊細で大変勉強になりました。
 皆様にも、一読をお勧めします。

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