たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

長野電鉄屋代線存続のために(4)

2009年06月10日 | Weblog

福井県 福井鉄道福武線の場合


 6月2日(火)は、福井県福井鉄道福武(ふくぶ)線の視察を行いました。 
  福井鉄道福武線は、福井市内の田原町駅や福井駅前駅(軌道・路面電車3.3km)と福井新駅から武生新駅(鉄道18.1km)全長21.4km、22駅を結ぶ路線です。

福武線の始発駅「武生新駅」にて
福武線の車両は、デザインが統一されていませんでした。
 

 近年のモーターリゼーションの進展や少子化などの影響により、利用者数は昭和39年をピーク(971万人)に年々減少し、平成19年度は全体で約161万人と、平成元年度292万人のおよそ4割減となっている。
 こうした状況に、福井鉄道は平成19年9月7日、事業者単独での再建は困難と判断し、福井県及び沿線三市に対して行政支援を求める趣旨の要請を行う。これを受け福井県は官民協議の場として「福井鉄道福武線協議会」を設置。利用者や地域住民の関心も高まり12万人近くの存続署名も寄せられた。

福武線車両の中の様子

 そして、平成20年5月22日に福井鉄道福武線協議会で再建方向が示されると、沿線三市では福武線存続への熱意が高まり各市にサポート団体(福井市福武線サポート団体協議会、福井鉄道福武線利用促進鯖江市民会議、越前市福武線を応援する連絡協議会)が結成され、利用促進の取り組みがはじまった。


 また、福井鉄道福武線協議会で示された再生と活性化への取り組みを実施するため、沿線三市は、行政、事業者、サポート団体で構成する「福井鉄道福武線活性化連携協議会」(法定協議会)を設置し、今後10年間の具体的な設備投資計画や利用促進策をまとめた福武線地域公共交通総合連携計画を策定。これを受け国土交通省は平成21年2月24日に福井鉄道福武線を全国初となる「鉄道事業再構築実施計画」の認定を行い、向こう10年間で利用者200万人の達成や収支の均衡、「地域に親しまれる共に歩む鉄道」を目指し再建計画がスタートしました。

西武生駅近くにある車両整備工場


 国土交通省のホームページによれば、この「地域公共交通活性化・再生総合事業」(鉄道篇)の認定を受ければ、既存の鉄道近代化資金は特定の分野への補助に限定されていますが、車両の購入や改装及びリース、駅の新築や改築、駅前駐車場や駐輪場の整備、イベントの開催や情報提供、ボランティアへの支援等々に多くの場合二分の一の補助が受けられることになりますが、民間会社であるためか福井鉄道の場合は三分の一の補助率となっています。

西武生駅の様子 長野電鉄と同様にほとんどの駅舎は老朽化していました。
また、この近くには旧福井鉄道の本社跡があり、県が買収したことから近く県が取り壊し、パーク&ライトとして整備するとのことでした。 


 福井鉄道株式会社の幹部の皆さんとの懇談では、社長に昨年9月に就任した村田社長(前福井銀行常務執行役)の説明によれば、地域公共交通総合連携計画のスタートまでには従来の福井鉄道の負債残高がバス事業も含め28億円あり、親会社の名鉄の撤退により鉄道試算を固定資産評価額の約7割の評価に減額したこと。福井鉄道の株を三市各8万株とサポート団体や商工会に3万株を保有して頂いたこと。鉄道事業再構築事業認定の内容として、県と沿線三市による鉄道用地の取得保有と無償貸付に12億円(県8億円・沿線三市4億円)、鉄道の維持修繕経費に12億円(沿線三市)、設備更新費用に31億2千7百万円(国10億・県20億円)とのことで自治体にとっては多額な負担となっています。

福井鉄道(株)の村田社長や会社幹部の皆さんとの懇談会


 利用促進策では4つの新駅を作った他、特にパークアンドライド(駐車場)の整備に力を入れ、既に292台分が整備され、内2駅では県が整備したとのことでした。また、その中にはスーパー駐車場(40台分)や文化ホール(48台分)の利用が含まれています。
 他の利用促進策では、子供達の遠足で鉄道を利用した場合に3市がそれぞれ半額補助をする制度を導入したほか、主婦がホテルでランチを食べる企画キップ、出会いの場「恋特急ラブ電」の開催、「カー・セーブデー」の設定、利用促進市民フォーラムの開催等々が行われています。

福武線は福井市の中心市街地へ入ると路面電車になります。
 
 今回の調査では、私鉄総連協力議員(県議2人・三市の市議4人)や越前市福武線を応援する連絡協議会の会長・事務局長、越前市公共交通対策室長、福井鉄道労働組合の役員の皆さんと意見交換も行いました。
 お話しをお聞きすると、県や三市、議会も初めは慎重で住民の関心が次第に高まり、住民運動が行政を動かしここまで引っ張って来たということでした。

田原町駅(終点)にある変電所 将来はこの駅と隣り合わせる越前鉄道と結び相互乗り入れを計画しているとのことでした。

 特に、越前市福武線を応援する連絡協議会の大柳会長さんが、福武線を利用するこの運動は、もっと多くの市民を巻き込んだ形にして行き継続して行かないと成功しない。そのためには、まずリーダーが自分の身の回りに公共交通を自覚し率先して利用しないといけない。そのため福井市で区長会の会議がある時は、全員が福武線を利用している。長野の皆さんも、まず沿線住民の皆さんが感心を持ち存続に向けて前面に出て行政を動かすことが大切と語ってくれたことが印象に残りました。

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ「日本ブログ村」のブログランキングに参加しています。クリックしてご支援をお願い致します。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿