Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

腹八分目は無理

2021年11月03日 | 映画など
ヴィクター・フレミング監督
「ジャンヌ・ダーク」を見る。
ロッセリーニの「イタリア旅行」「ストロンボリ」で、
バーグマンの剥き出しの美しさに
首ったけ(死語)だった自分としては、
彼女が出ている映画はとにかく見たい、という願望に
応えてくれる超大作。145分出ずっぱりで、
熱演に次ぐ熱演を目の当たりにして、
それはもう、おなかいっぱいになったのでした。


失敗作とか、当時大コケしたとか
あまりいい評判は聞かないけれど、なかなかどうして
テクニカラーの鮮やかさとともに映し出される
歴史絵巻に耽溺する。

撮影当時30歳を超えていたバーグマンは、
19歳のジャンヌをピュアに力強く演じ、
少女のようにも見え、勇ましい戦士にも、
神々しい女神にも見える。

後半での宗教裁判において、
死刑への恐怖と神の教えとの挟間で苦悩する
バーグマンの演技は鬼気迫るものがある。
もともと舞台で同じ役を演じていて、
彼女自身が映画化を熱望したらしいので、
さぞかし演じ甲斐があったと想像する。

小心者で計算高いシャルル7世を演じた
ホセ・フェラーも実にせこい演技(褒め言葉)で、
権力者ってこういう感じかもと思ってしまう。

ジャンヌ・ダルクの生涯は
歴史絵巻としても、戦争物としても
裁判劇としてもドラマチックかつ悲劇的で、
映画をつくる人たちの
クリエイティビティを刺激するのは確かだと思う。

カール・ドライヤーの「裁かるゝジャンヌ」や
ブレッソンの「ジャンヌ・ダルク裁判」と
見比べるとどうなのだろう。リュック・ベッソンが
ミラ・ジョヴォヴィッチで撮ったのもあったっけ。
シネフィルのくせにどれも未見なので,
誰か見た人教えてくださいな。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする