Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

誓いの休暇二日目

2020年09月20日 | 映画など
藤井道人監督
「宇宙でいちばんあかるい屋根」を見る。
ブレイク寸前、
というかすでにブレイクしているのかな。
次の次の朝ドラのヒロインが決まっている
清原果耶さんの主演作。



14歳のつばめを演じるのが清原さん。
両親と温かな生活を送っているように見えて、
血の繫がっていない母と、
実の父とのあいだに子供が産まれることを知り、
どこか疎外感を感じている。
そして隣の家の大学生の亨(伊藤健太郎)に
ほのかな恋心を抱いている。

そんなわだかまりと焦りを抱えた中学生の前に、
怪しい老婆があらわれる。
つばめが星ばあと呼ぶその老婆を演じるのは桃井かおり。

傍若無人な星ばあは、
なかなか前に進み出すことができない
つばめの背中を押す役割を果たす。

清原果耶の主演映画なのに、桃井かおりが出てきた途端、
この老婆に感情移入してしまう。
それはたぶん、これまでさんざん
桃井かおりの映画にお世話になったからだろう。

森田芳光監督「メインテーマ」で、
「セクシーになるにはどうしたらいいんですか」
と聞く元祖神様(薬師丸ひろ子)に、
「頭をからっぽにすることよ」と
元祖神様の頭をコツンとする桃井かおりの再来、と
言ったらシネフィルの戯れ言になるのかな。

ともあれ、役の中だけでなく、
清原果耶という女優の成長を見守る映画というか。
そんなスタッフと観客の期待に応え、
泣いて笑って怒って、雨に打たれて、シャワーを浴び、
自転車で坂を駆け下りるアイドル映画の主演をまっとうするのでした。

と、大いに満足したところで、
この4連休のどこかで「丸ごとカニバーガー」を食すと
固く誓った自分がいたことを思い出すのでした。
あと2日か。たぶん大丈夫大丈夫。


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誓いの休暇一日目

2020年09月19日 | ささやかな幸せ
訳あって、台湾料理を出す店に行く。
デザートに出てきたのがコレ。


豆花(トゥファ)というスイーツで、
豆乳をゼリー状に固めたものに
金時豆や白玉、クコの実などを入れ甘いシロップをかけたもの。
やさしい食感とそれほど激甘ではないところがなんとも。

と大いに満足したところで、
この4連休のどこかで「丸ごとカニバーガー」を食すと
固く誓った自分がいたことを思い出すのでした。
まだ3日あるし。大丈夫大丈夫。

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いとしの甲殻類

2020年09月18日 | 日々、徒然に
世間は明日から4連休とな。
火曜まで休み、ということは
来週は水、木、金の3日しかないということか。
自分のような下流にいる人間(決して卑下しているわけではない)は、
いろいろと仕事が残っていて、
連休といえど、あまり心穏やかに過ごせない感じ。

10月に入ると取材ラッシュになりそうなので、
英気を養っておきたいところなのだけど。

そうこうしているうちに、
月曜にZoom会議の予定が入る。
丸ごとカニバーガーは食せるのか、自分。


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汚れた目の先の希望

2020年09月17日 | 日々、徒然に
世の中の流行には
昔から疎く、時代に取り残されてしまっているのは、
わかりきっている今日この頃。

ふっふっふっふ。
だが、しかし。
最新の流行をしっかり押さえているモノが2つあるのです。

ひとつは、カップ焼きそばの趨勢。
そしてもうひとつは、何を隠そう(隠してないけど)、
ドムドムバーガーなのです。


さあ、その汚れた目(自分も、だ)でしかと見るがいい。
このたび新発売となった
「丸ごとカニバーガー」である。
カニを一匹まるまる唐揚げにして挟んだ逸品。
脱皮したてで、殻がやわらかいカニ(ソフトシェル)を使っているので、
甲羅もハサミもちゃんと食べられるらしい。
これで税別900円は安いんじゃないかと思う。

マクドとかモスとかロッテリアとか、バーガーキングとか。
最近は小洒落た高級ハンバーガーが
持て囃されているけれど、
ついに本気を出したな、ドムドム。
今度の4連休は店舗のある小平まで行って食すのを
生きる希望にしたいと思います。



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ばかったらばかあ

2020年09月16日 | 日々、徒然に

これまで、商品の定価表示について
消費税を含めた総額表示にする義務が猶予されていたのだけど、
来年の3月末で終了となるらしい。
書籍にも総額表示をする義務が生じることになり、
問題となっている模様。

何が問題かというと、消費税の税率が変わると総額が変わるので、
そのたびに書籍に表示しなければならなくなる。
つまり、書籍のカバーを刷り直すか、シールを貼るかの方法を
取らざるを得ないわけで、これは出版社にとってかなりのコスト負担。

上の写真のように「本体価格+税」にしておけば、
消費税の税率が上がろうが下がろうが対応できる。
ただ、それだとお上から叱られてしまう。
来年4月以降に出る書籍はそう表示するようにつくればいい。
でも、現在出ている書籍のカバーを印刷し直すなんて、
そんな資金のある出版社がたくさんあるとは思えない。
総額が表示できない書籍が、書店に置かれなくなるとすると、
破棄され、絶版となってしまうのだろうか。

書籍だけでなく、CDとかもそうなのかな。
ともあれ、書店には総額が表示された新刊と、
確実に売れ続けると思われる少数の書籍しか置かれなくなってしまう。
その分、古書店は繁盛するかもしれないけれど、
ますます本を読む人と読まない人の分断が進むような気もする。

罰則はないとのことなので、
しれっと普通に書店は販売すればいいと思う。
でもそれは部外者だから言えることなのかもしれない。

消費税がしょっちゅう上がるから良くないと思う。
貧乏人にとっては、明らかに重税である消費税。

奇しくも故・ナンシー関さんが、
初めて日本で消費税(3%)が導入されたときに彫った
消しゴム版画がトートバッグになったそう。



100円玉を握りしめて、
ワクワクしながら駄菓子屋に行った子供が、
「ごめんよ、ボク。消費税がかかるから、
 これ100円じゃ買えないよ」
と言われて号泣する版画。これはぜひ手に入れたい。
シャレが効いていて2000円+当時の消費税3%の値段とのこと。


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英語では「Very」とか「much」

2020年09月15日 | 読んでいろいろ思うところが
能町みね子「そのへんをどのように
受け止めてらっしゃるか」(文春文庫)を読む。
週刊文春に連載された「言葉尻とらえ隊」の文庫化。
魂は細部に宿るというけれど、
芸能人や政治家などがドヤ顔で発信する言葉の
ほんの些末なニュアンスをとらえ、その人たちの
本音や嘘を暴くセンスの素晴らしさ。


たとえば、昨年の台風19号の被害で
八ッ場ダムが利根川の決壊を食い止めたという話に
糸井重里氏が「だれかこの話を書いて、ぼくに読ませてください。
力があるのに仕事がないフリーのライターさんとか」とツイート。

それを受けて、
「力があるのに仕事がない、つまり確実にお金のない
フリーのライターが八ッ場ダムの話を書くのに一体どれだけ金がかかるか、
お金持ちである糸井重里はマジで想像できないわけだ」と斬る。

お金のないライターなのは自分も同じ(力も大してありません)。
八ッ場ダムまで出かけて、
何年もかけて関係者に取材を重ねて書くなんて、無理。
生きていけません。

あるいは、
昨年のあいちトリエンナーレに抗議を繰り返していた
河村たかし名古屋市長の
「どえりゃあ ごぶさた
座り込み 午後2時 愛知芸文センター
because申告内容かくされる 
陛下写真バーナー焼いて踏みつぶす いかん」というツイートに対して、

「こだわりの名古屋弁も、ユーモアのつもりか
英単語を混ぜているのも気味悪さを際立たせる効果しか生んでいません。
仮に自分の肉親がこんな文体をネット上に晒していたら、
私だったら心配になって電話をかけます」

自分は名古屋出身だけれど、なぜ河村さんって市長なんだろうと
思うことがしばしばある。ことさら名古屋弁を使うところに
不気味さを感じる能町さんの指摘は鋭い。

皮肉とユーモアが混ざりあい、どこに媚びることもなく、
しっかりロジカルに展開されるエッセイ。
誰にでも書けるものではないと思う。

ちなみに、たかし市長の
「どえりゃあ」とは「ものすごく」「とても」という意味です。
自分は子供のとき、「どえりゃあ」ではなく
もう少しやわらかな口調で「でーりゃあ」と言ってました。
地元を離れて何十年にもなるけれど、
たまに口から出ます「でーりゃあ」。



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愛しのバターサンド

2020年09月14日 | いやはやなんとも
総理 ふう。
秘書 あれ、新総理、お疲れですね。晴れて総理になったのに元気ないですよ。
総理 問題ない。
秘書 おお。官房長官のときの答弁と同じですね。
総理 その指摘は当たらない。
秘書 それにしても圧勝でしたね。
総理 まさに国民の声に耳を傾けてきたからでありましゅ。
秘書 総理。会見は終わったんですから。素に戻っていいんですよ。相変わらず滑舌悪いですけど、そこが可愛いっていう女子高生もいますから。きっと。
総理 その指摘は当たらない。
秘書 だからお決まりのフレーズは言わなくていいんですってば。もうこの国のトップなんですよ。
総理 そうなのか。
秘書 ええ。って、知らなかったんですか。
総理 幹事長から「問題ない」と言われていたからな。
秘書 幹事長も似たフレーズを使いますね。まあ結果はわかってましたからね。
総理 問題ない。
秘書 出来レースっていう話も出てましたけど。
総理 ギロッ(睨む)。
秘書 ちょ、ちょっと総理。そうやって睨むと怖いですよ。
総理 ずっとコレでやってきたからな。
秘書 これからはもっと柔和にいかないと。この国のトップですよ。国民に好かれないと。
総理 だからパンケーキ食ったんだ。
秘書 ああ、いきなりパンケーキ食べてましたね。あとバターサンドも。
総理 血糖値が上がる。
秘書 そうですねえ。総理もお年ですからね。
総理 幹事長は私より10も上だ。問題ない。
秘書 そうやって何でもかんでも「問題ない」と言い切るんですね。そんな総理初めてですよ。モリカケとかサクラとかも?
総理 問題ない。
秘書 あの赤いネクタイの人にもそうやって言うんですよね。
総理 赤いネクタイ? ああ、でもあい、いやあの人は選挙で負けるだろう。
秘書 いま「あいつ」って言いかけましたよね? やばいですよ。聞かれたらどうするんですか。
総理 負けるから問題ない。
秘書 ほんとですか。なんだか巻き返しているっていう話ですよ。
総理 その、し、指摘は当たらない。
秘書 どうして言いよどむんですか。あと目つきの鋭い柔道が得意な人とか。
総理 も、も、問題ない。
秘書 外交に弱いというより、コワモテに弱いんですか。前総理と同じですね。
総理 継承する使命があると思っている。
秘書 そんなところまで受け継ぐんですか。
総理 ギロッ(睨む)。
秘書 ひい。怖いですよ。睨んじゃいけません。ほらバターサンドあげますから。
総理 ぱくっ。むしゃむしゃ(食べる)。
秘書 ほんとに好きなんですね。スイーツ。
総理 むしゃむしゃ。パンケーキはないのか。
秘書 はい。すぐ取り寄せますね。
総理 バターとハチミツもたっぷりかけておくように。
秘書 わかりました。なにもかもうやむやにするぐらいぶっかけておきます。
総理 ギロッ(睨む)。
秘書 ひいいっ。ダメですよ、睨んじゃ。はいバターサンドもう一個。


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天に向かって阿鼻叫喚

2020年09月14日 | 日々、徒然に
打ち合わせのため、高田馬場あたりを歩く。
予定より早く着いたので、早稲田通りから
ちょっと入った路地のところを徘徊していたら、
それはそれはやさぐれた公園を発見する。



これはキリンだろうか。
奥にいるのはおそらくカンガルーだろう。
公園には誰もおらず、閑散としたなかで、
苦渋に満ちた表情を天に向ける動物たち。

もし自分が子供連れだったら、
このキリンやカンガルーで遊ばせる勇気は、ない。

実はこの写真を撮った後ろ側に、
パンダらしきものも鎮座しているのだけど、
あまりにおぞましくて、
その写真は載せるわけにはいかないのでした。

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ソンタクと神様

2020年09月13日 | 日々、徒然に
TVは朝ドラ以外まともに見ておらず、
自民党総裁選の様子とか、
大坂なおみ選手の活躍とかをあまり認識していない今日この頃。

どうせ菅さんなんだろ、とやさぐれるのも、
大坂選手の偉大さに感服するのもいいけれど、
シネフィル的には、黒沢清監督が
ヴェネチア映画祭で監督賞のニュースはおめでたい限り。
しかも受賞作の「スパイの妻」は
神様(蒼井優)が主演というではないか。
ヴェネチアの審査委員も「神様(蒼井優)が出てるんだから」
と有無を言わず票を入れたんでしょう。そんな忖度なら許します。



これがポスター。
黒沢監督が「名匠」と書かれているけど、どうなのだろう。
自分にとっては、どんなに偉い監督になっても、
怪しくていかがわしい映画を撮る人、なのだけど。
ともあれ、神様(蒼井優)が神々しくて、
目がつぶれるのは確実です。

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哀しみと強さ

2020年09月12日 | 映画など
キム・ボラ監督「はちどり」を見る。
震えるほどの傑作。
韓国映画はどこまでレベルが高くなるんだろう。
時代と因習と家族に翻弄される少女を通して、
浮き上がってくる経済成長真っ盛りの90年代の韓国。


主人公は、14歳の中学生ウニ。
餅屋を経営している両親、姉と兄と
ソウルの団地に暮らしている。
日韓ワールドカップを前にした時代の韓国。
中流、あるいはそれよりちょっと下の
家庭ってこんな感じなのか、と。日本と変わらない気がする。

それにしても、
韓国の男性は威張ってるなあと思う。
教師はやたらに高圧的だし、父親は思い切り権威を振りかざし、
勉強ができそうな兄ばかりひいきする。
その兄は、ウニが口ごたえしただけで暴力を振るう。
徹底的な父権社会というか、パターナリズムがまかり通っている社会。
そんな社会で、ウニだけでなく、姉や母親など、
女性たちの精神が精神が蝕まれている描写が続く。

そんな社会に抗おうとしているのか、
ウニは男の子と付き合ったり、万引きしたり
不良のまねごとをするのだけど、
どうにもならない閉塞感にぶち当たるところの悲痛さ。

劇中、ウニは首にしこりができる。
それが深刻な腫瘍だと判明するのだけど、
そのしこりが暗喩するものは、一体何なのだろうか。
そのあたりは観客の想像に委ねられている、というか、
テーマらしきことはまともに語られず、
ひたすらウニのヒリヒリする感情を追いかけていく。

唯一の救いは、ウニが漢文の塾で知り合った女性教師に心を許す場面。
その女性教師がウニに「殴られたら黙っていては駄目」と諭す。
そこにかすかな希望と、宿る力のようなものを
ウニだけでなく、見ている観客も受け取るのだ。
北朝鮮の金日成死去のニュースや、実際にあった、
ソウルにある大きな橋の陥落事故。
誰かが死んだり、壊れたりすることで
韓国の社会や時代が少しずつ変化していく様子が
背景的に描かれるのも見逃せない。

厳しくて強靱。そして確かな希望に溢れた映画。







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