Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

あえて横文字の汚名をきて

2013年09月07日 | 邪悪なT君


うひょひょひょひょ。

いきなりかよ。
何の前触れもなく、ペヤングで威嚇する邪悪なT君。
君に構っている暇はないんだよ。
こちとら忙しいんだから。

「またまた~。ペヤングの新製品が出たっていうのに、
 つれないですね~もっと盛り上がりましょうよ~。
 東京五輪なんて目じゃないですよ~」

さりげなく、というかわざとらしく
時事ネタを入れるんじゃない。
それにしても「豚生姜焼き」とは何だ。

「うひょひょ。その『何だ』というのは、
 英語で言うと『What』じゃないですよね~」

なに横文字を使っているのだ。

「『What』じゃなくて『Why』の意味ですよね~。
 何でこんなモノを作っちゃったんでしょうか~
 前はペペロンチーノでしたからね~意表を突いてきたというか」

知るか。横文字を使う君は、
さらに邪悪になっていくではないか。

「いやいや~横文字は嫌いですよ~。
 だって、いつぞやはどこかのメーカーが
 ポークジンジャーの焼きそばを出してましたからね~」

ポークジンジャー? それで焼きそば?

「そうなんですよ~ポークジンジャーって洒落た横文字使っても、
 結局は豚生姜焼きじゃないですか~。
 だったらペヤングのように横文字を使わず、
 豚生姜焼きでいいじゃないですか~潔いですね~うひょひょ」

君の口から「潔い」という言葉が出るとは思わなかった。
思わず「ファ●クユー」という横文字で罵倒してやろうと思ったけど
邪悪なT君はすかさず、どす黒い羽根を広げて、
五輪決定に湧く東京の空を飛び立っていくのでありました。

 
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White Limousine

2013年09月07日 | 映画など
デビッド・クローネンバーグ監督『コズモポリス』を見る。
官能と暴力をとことん追求するこの監督、
もはや哲学的領域にまで
到達しているのではないかと思えるほどの深さ。



これは会話劇か。それともディスカッションドラマか。
そんなことを思わせる始まりで、結局映画の半ば過ぎまで続く。
大富豪の主人公が乗るリムジンの中に、
会社の部下や愛人、医者などが入れ替わり立ち替わり
乗ってきては、意味深な会話を繰り広げるのだ。

医師に前立腺が非対称だと言われたり、
愛人との快楽にふけったり、
投資している中国元が下落していることを知ったりする。
リムジンの窓からは、デモ行進が見えるなど
主人公の恵まれた境遇とは正反対の世界が見えてくる。

リムジンって映画と相性がいいのかもしれない。
異様なほど細長い車体はスクリーンに生えるし、
中に乗っているのは、たいてい精神の病んだ金持ちかヤクザだ。
そういえばちょっと前にみたカラックスの『ホーリー・モーターズ』も
主人公はリムジンに乗っていたっけ。

閑話休題。
映画が進むにつれて、
主人公は銃を手にして、自ら破壊行動に出る。
終盤は暴力の匂いが充満し、片時も目が離せなくなる。

一言でいうと変な映画、というか。
まあクローネンバーグ作品を「変な映画」と評することは、
イコール褒め言葉だし、
変態的であればあるほど、この監督の映画は面白い。

それにしてもジュリエット・ビノシュ。
なんともまあ色っぽい愛人役で、
この女優さんは若い頃も良かったけど、
50歳近くになってさらに凄みを増してきたと思う。


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器の大小、そして貧乏

2013年09月05日 | やさぐれ男のつぶやき
萩原魚雷「本と怠け者」(ちくま文庫)を読む。
タイトル通り、いわゆる怠け者と呼ぶにふさわしい
作家とその本(おもに古書)にまつわるエッセイ。



「傾斜地の怠け者」という章。冒頭の文章が滲みる。

??三十歳前後、わたしは仕事を干されていて、
  金がないのに暇ばかりあって、無気力に沈みがちだった。
  そういう状態はよくない。よくないことはわかっている。
  わかっているけど、そんなに簡単に否定してほしくない。
  だって、簡単すぎるではないか、貧乏で無気力な人間を否定するのは。

確かに簡単、だ。
そのあとに語られる梅崎春生という作家の文章と生涯も、
それはそれは無気力で、だからこそ限りなく羨ましい。

でも、自分がそんな生活をしたとしたら、
きっと2日で不安になってしまうというか。
これがほんとの貧乏性、かも。
人間としての器が小さすぎるのかなと
思いながら読み進めるのでした。

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We are new

2013年09月03日 | 日々、徒然に
ようやく原稿が書き終わり、
残りは進行を見ていけばなんとかなるところまで来た雑誌仕事。
さらに緊急の資料づくりがたくさんあり、
素材を参照しながら、ワードのファイルにまとめていく。
明日も早起きして作っていかないと。
木曜と金曜は、とある書籍関係のたたき台づくりと
そのプレゼンの準備が待っている。
そうこうしているうちに、今月初旬、
冊子の入稿があるのだけど、間に合うのかどうか戦々恐々。
さらに来週は重めの取材が一件あって、
そのための資料本もまだ一冊しか読んでおらず、
あと2冊は目を通しておかないと。

そんな状況を鼻で笑うほどのポジティブさというか。
来日公演をひかえているポールの新譜、タイトルはなんと「NEW」。
その表題曲を張っておきます。



http://youtu.be/pE_1V0phMW8

「ペニーレイン」を彷彿とさせるポップさと明るさ、
そして湧き出てくる懐かしさ。こんな曲を71歳が作っているわけで、
多少の仕事でやさぐれている場合ではないと思うtacoでした。
きっと東京ドームでも演ってくれるでしょう。


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絶望と美少女

2013年09月02日 | 日々、徒然に
それにしても、「あまちゃん」。
本日放映の回は3.11が描かれたということで、ネットでは
かなりの話題になっているような。

もともと朝ドラを見る習慣はなく、
元祖神様(薬師丸ひろ子)が出ていると聞いて、
慌てて見るようになった自分のようなにわかファンが
言うのも何だけど、今日の回は素晴らしかった。

津波の様子をジオラマで見せる演出は、
ずっとこのドラマを見てきた人であればあるほど
痛切にあの悲劇が伝わるだろうし、
この場面を演出したのは「その街のこども」という
阪神淡路大震災を題材にした
傑作ドラマを監督した井上剛という人だと聞き、
余計にその素晴らしさに納得するわけで。

北三陸鉄道がトンネルを通過中に地震に遭いストップ。
線路をつたって外に出る車掌の杉本哲太。
そしてそのあとを追いかけてくる神様候補(橋本愛)が
見せる絶望的な表情。その美しさに圧倒される。
まるで映画を見ているようで、
自分のようなやさぐれたシネフィルはしばし酔いしれるのでした。
トンネルと線路、光と闇。そして美少女。すべてが完璧。



コメント (2)
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ワンタンの愛、どら焼きの幸せ、コンビーフの官能

2013年09月01日 | 読んでいろいろ思うところが
東海林さだお「どら焼きの丸かじり」(文春文庫)を読む。
丸かじりシリーズも30作目らしいが、
相変わらずの素晴らしさで、読ませる。そして笑わせる。



たとえば、ワンタン。

??ワンタンのいいところはここのところにあって、
  ここのところとは、わずかな肉の味であって
  けっしてたくさんの肉の味ではなく、
  また誰もたくさんの肉を望まない。

たとえば、どら焼き

??しっとりと甘いカステラ状の皮を噛んでいく幸せ、
  砂糖や蜂蜜の甘い香りが口の中に広がっていく幸せ、
  更にその下に甘い餡のかたまりがみっしりとあって、
  歯は小豆と砂糖と蜂蜜の饗宴の中に突入し、
  舌もその余興にあずかり、あー、もー、
  この餡の幸せだけで充分、と思っているのに、
  更にですよ、更にその下にまたしてもというか再びというか、
  最初味わった幸せ、すなわちしっとりと甘いカステラの幸せがやってきて、
  もう嫌っ、知らないっ、意地悪っ、
  とすねたくなるほどの幸せにつぐ幸せ。

名文だと思いませんか。
これだけ賞賛されたら、
どら焼きだってどら焼き冥利に尽きるというか。

お手本にしたい文章書きの人はたくさんいるけれど、
故・ナンシー関さんと、この東海林さだお先生は個人的には最高峰。
37年生まれというから、今年76歳になるとは思えないほどの
キレキレの文章と、食べ物への飽くなき好奇心。
あとやっぱり歯と胃腸が丈夫なのだろう。

コンビーフ缶を糸巻きのように開けていく描写があるのだけれど、
なんともまあ官能的で、これまた素晴らしい。

??三回ぐらい回したところで、缶と缶の間のスキマから
  コンビーフの中身というか、肉というか、肌というか、
  そういうものがチラッと見えてくる。
  なにしろ肉肌が見えるわけだから、ちょっとだけよ、
  という雰囲気もちょっとだけあり、まことに魅力的なひとときといえる。


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