想田和弘監督『精神』を見る。
岡山のとある精神病棟を舞台に、
医師や看護師、そして
患者の表情や佇まいをじっと捉えるドキュメント。
不安と共感を同時に起こさせる怪作だと思う。
精神(2009)
想田監督の前作『選挙』もそうだったのだが、
この映画はあまり説明をする気配がない。
登場する患者の名前とか症状などもはっきりわからない。
カメラを向ける想田監督が直接問いかけるとき以外、
彼ら彼女らは淡々と診察を受け、薬をもらい、
どこかに帰り、しばらくしてまた病院にやってくる。
受け入れる側の医師や看護師も淡々と日々の業務をこなすのみ。
治療する人と治療される人の関係性を追うわけでもなく、
写し出されるのは「精神」の疾患に関わる人たちというだけの映画。
病気に苛まれながら、
なんとかしようとする人たちの姿は確かに共感できるのだが、
結局当事者にしか(あるいは当事者でさえ)理解できないのではないかという、
ある意味投げっぱなしのクライマックスを見て、唖然とする。
あまり見られないものを見た、という気持ちと、
見たからと言って、理解したり判ったりするわけではない
というふたつの気持ちが浮かんでくる。
フレデリック・ワイズマンを師と仰ぐ想田監督。
師匠の作品に見られるような、
透明感というか純度の高い映像作りは
日本のドキュメンタリー作家の中でも特異。
次回作は平田オリザと劇団員のドキュメントらしい。楽しみ。
岡山のとある精神病棟を舞台に、
医師や看護師、そして
患者の表情や佇まいをじっと捉えるドキュメント。
不安と共感を同時に起こさせる怪作だと思う。
精神(2009)
想田監督の前作『選挙』もそうだったのだが、
この映画はあまり説明をする気配がない。
登場する患者の名前とか症状などもはっきりわからない。
カメラを向ける想田監督が直接問いかけるとき以外、
彼ら彼女らは淡々と診察を受け、薬をもらい、
どこかに帰り、しばらくしてまた病院にやってくる。
受け入れる側の医師や看護師も淡々と日々の業務をこなすのみ。
治療する人と治療される人の関係性を追うわけでもなく、
写し出されるのは「精神」の疾患に関わる人たちというだけの映画。
病気に苛まれながら、
なんとかしようとする人たちの姿は確かに共感できるのだが、
結局当事者にしか(あるいは当事者でさえ)理解できないのではないかという、
ある意味投げっぱなしのクライマックスを見て、唖然とする。
あまり見られないものを見た、という気持ちと、
見たからと言って、理解したり判ったりするわけではない
というふたつの気持ちが浮かんでくる。
フレデリック・ワイズマンを師と仰ぐ想田監督。
師匠の作品に見られるような、
透明感というか純度の高い映像作りは
日本のドキュメンタリー作家の中でも特異。
次回作は平田オリザと劇団員のドキュメントらしい。楽しみ。
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