松本壮史監督「サマーフィルムにのって」を見る。
おお。素晴らしい。なんという傑作。
そもそも女子高校生たちが映画作りに情熱を燃やす
という題材に惹かれるし、
見てびっくりするほどの映画愛の炸裂ぶりと、
血湧き肉躍る活劇の面白さ。
そして、登場人物たちの切ない思いがほとばしり、
青春映画としてのきらめきにも事欠かない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/ff/2ac372d278fae6fbad5a878c3a689eaf.jpg)
主人公の高校生ハダシは大の時代劇マニア。
勝新の大ファンで、座頭市をこよなく愛している。
名画座でたまたま出会った男子の凛太郎こそ、
自分が撮ろうとしている侍の役にぴったりだと
無理矢理彼を説得し、仲間と共に撮影に突入する。
ハダシを演じているのは元乃木坂46の伊藤万理華で、
ショートカットのオタク高校生という役どころは
「映像研には手を出すな!」の浅草みどりを彷彿とさせるというか、
猪突猛進のキャラでありながら、もろい面も垣間見せてくれて好演。
時代劇への夢、そして映画への夢。
憧れのものに近づくために悪戦苦闘するハダシたちと
ポンコツな仲間たちのアンサンブルが楽しい。
そして、ハダシの凛太郎への思い。
彼への思いが溜まりに溜まり、
ついに爆発するクライマックスの活劇に鳥肌が立つ。
好きな人への思いと、映画への思いが融合する瞬間。
現在と未来をつなぐSF的展開もふくめて、
大林映画へのオマージュも大いに感じさせてくれた。
どんな映画か、と問われると答えに窮するかもしれない。
見た人によっては、これは学園物だろうし、
胸がときめく青春映画かもしれない。
あるいはノスタルジックな時代劇か、
はたまた時をかけるSF映画に見えたりするからだ。
つまりは、どんな映画か、という問いに
見た人それぞれの琴線に触れるような映画なのだと
結論づけることにしたい。傑作。
今夜、久保、田代、齋藤という強力なメンバーとリモート飲みした。そこで話題に出た。見るよ。
https://www.youtube.com/watch?v=gJR3YRBPLj8
これも見てくれ。今、編集中の私の作品だ。
ご意見よろしく。