ローリング・ストーンズの新譜
「ハックニー・ダイヤモンズ」を聞く。
オリジナルアルバムとしては、
「ザ・ビガー・バン」以来18年ぶりという。
チャーリーの死を乗り越え、
齢80を過ぎても新作を出すミックもキースも偉いが、
こうして18年経って、ストーンズの新曲を
聞くことができる自分も「よく生き延びたなあ」
と褒めてあげたい気分です。偉いぞ自分。
01 アングリーから、
なんという溌剌としたロックンロールだろう。
若い、というかしなやかだなあと思う。
おじいちゃんが無理している感じもないし、
奇しくも、というか残念ながらというか、
ドラムがチャーリーからスティーヴ・ジョーダンに代わり、
より洗練されたというか。ポジティブな曲が続くのが何よりも嬉しい。
思えば89年に「スティール・ホイールズ」が出たとき、
元気だなあ。若いなあと感心してから34年ですよ、旦那(←誰?)。
こちとら瀕死のおっさんに成り果てたのに、
ミックとキースとロニーの強靱さに
聞き惚れるばかりですよね、奥さん(←誰?)。
それでも、チャーリーがドラムを叩いている
07 メス・イット・アップ
08 リヴ・バイ・ザ・ソード
を聞くとぞくそくするというか、ああストーンズだと。
ドラムの音なんかわからないくせに、
なぜそう感じてしまうのだろう。しかも09は
ビル・ワイマンがベースで客演しているというから
チビリますよね、旦那。ベースのこともわかりませんけど。
ポールやエルトン・ジョン、スティービー・ワンダーの参加も
話題を呼んでいるけれど、個人的にはベンモント・テンチの客演が嬉しい。
トム・ペティ&ハートブレイカーズのキーボーディストだった彼。
ディランの「ラフ&ロウディ・ウェイズ」にも参加していて、
地道に存在感があるのが頼もしい。
さらに、11 スィート・サウンズ・オブ・ヘヴンでは
ミックとレディー・ガガのツインボーカルに痺れる。
メリー・クレイトン、リサ・フィッシャーを
彷彿とさせてくれるガガさん、たまりませんよね、奥さん。
ラストの12 ローリング・ストーン・ブルースで
俺たちの原点をちょいと演ってみるぜ、という粋な選曲。
CDではボーナスのリヴィング・イン・ア・ゴースト・タウン。
なぜここに入れる? と言うストーンズファンも多いけれど、
ねばっこくて、あらためていい曲だと思ったりと、
大満足というか、チビリまくりの1枚。
次のアルバムもきっと出るだろうから、
それまでなんとかサバイヴしないと。ね、旦那。奥さん。