Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

魂のゆくえ

2024年07月27日 | たまには音楽でも
リンダ・キャリエール「LINDA CARRIERE」を聞く。
77年当時、世界進出を視野に入れていた
レコード会社アルファの社長、村井邦彦から
プロデューサー業を依頼された細野晴臣が、
米国の新人歌手リンダ・キャリエールのアルバムを制作。
細野を始め、山下達郎、吉田美奈子、矢野顕子らが
曲を提供し、ティン・パン・アレーの面々をバックに
レコーディングが行われた。しかし、完成盤を聞いた村井が、
「ヴォーカルがあまりに弱い」との判断でお蔵入りに。
そんな経緯のアルバムが、47年の時を経て正式リリース。
あまりにも豪華な布陣で、海外に向けてつくられた
日本発のアルバムがどんなものか、興味は尽きないわけで。


いや。ヴォーカルが弱いって、そうかもしれないけど、
これはこれで柔らかで、かつソウルフルな歌声。
達郎や矢野顕子による楽曲は、
いかにもこの人たちらしさが出ている演奏で微笑ましい。
特に「06 LAID BACK MAD OR MELLOW」は、
跳ね上がるようなポップソングで本アルバムでは一番かなと。
細野さんの楽曲はAORな感じが多く、
なかでも「08 Vertigo」は、リンダさんの熱唱と、
トロピカル三部作のテイストがあって、とてもいい。

というか、
「細野晴臣と彼らの時代」とか
「シン・YMO」といった書籍で
このアルバムの制作過程やその顛末を読んでいて
あまりにも情報過多な脳味噌で聞いているので、
素直な耳で聞けないというか。
まっさらな状態で聞きたかったなあと。

お洒落なバーに入って(ありえないが)、
そこの有線(今でもあるのか?)から
さりげなく流れてきたら、
いい感じなのかもしれないと思ったりするのです。
コメント
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