ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督
『マリア・ブラウンの結婚』を見る。
これは傑作だなあ。退廃と官能がうずまくドイツの戦後史。お見事。
この何とも色っぽすぎるポスターを飾るのは、
主役のマリアを演じるハンナ・シグラ。
同じドイツの大女優、マレーネ・ディートリヒを
少々下品にしたような妖艶さ(褒め言葉です)がリアリティーあふれるというか。
ナチス崩壊直後に結婚したマリアは、
夫が戦死したとの知らせを受け、戦後は米軍専用のバーで働くことに。
経済力のある黒人兵士とねんごろになるが、
死んだと思われていた夫が帰還したと知るや、
マリアは黒人兵を撲殺してしまう。
それを見た夫はマリアの罪をかぶって服役。彼女は夫を愛しながらも、
西ドイツで商売するフランス人実業家と愛人関係となり、
ビジネスの世界でのし上がっていく。
マリアが信じるものは「愛」であり「お金」だ。
その両方をえげつない方法で勝ち取ろうとする
ドイツ女のたくましさに見とれてしまう。
戦後西ドイツの復興を象徴するかのように、
映画のほぼ全編を通して、建設現場の工事のノイズが鳴り響く。
復興はしているけれど、どこかイビツな戦後世界。
常に不気味な雰囲気を漂わせているところが、
この映画の真骨頂なのだろう。
いつも観客を不安に陥れることの多いファスビンダー映画だけど、
本作は珍しく構成がしっかりしていて、見応え充分。
妖艶さとしたたかさを体現した
ハンナ・シグラの素晴らしさに、ただ呆然とするのみ。
『マリア・ブラウンの結婚』を見る。
これは傑作だなあ。退廃と官能がうずまくドイツの戦後史。お見事。
この何とも色っぽすぎるポスターを飾るのは、
主役のマリアを演じるハンナ・シグラ。
同じドイツの大女優、マレーネ・ディートリヒを
少々下品にしたような妖艶さ(褒め言葉です)がリアリティーあふれるというか。
ナチス崩壊直後に結婚したマリアは、
夫が戦死したとの知らせを受け、戦後は米軍専用のバーで働くことに。
経済力のある黒人兵士とねんごろになるが、
死んだと思われていた夫が帰還したと知るや、
マリアは黒人兵を撲殺してしまう。
それを見た夫はマリアの罪をかぶって服役。彼女は夫を愛しながらも、
西ドイツで商売するフランス人実業家と愛人関係となり、
ビジネスの世界でのし上がっていく。
マリアが信じるものは「愛」であり「お金」だ。
その両方をえげつない方法で勝ち取ろうとする
ドイツ女のたくましさに見とれてしまう。
戦後西ドイツの復興を象徴するかのように、
映画のほぼ全編を通して、建設現場の工事のノイズが鳴り響く。
復興はしているけれど、どこかイビツな戦後世界。
常に不気味な雰囲気を漂わせているところが、
この映画の真骨頂なのだろう。
いつも観客を不安に陥れることの多いファスビンダー映画だけど、
本作は珍しく構成がしっかりしていて、見応え充分。
妖艶さとしたたかさを体現した
ハンナ・シグラの素晴らしさに、ただ呆然とするのみ。
映画の話しようぜ。
こんなに面白い映画とは思わなかった。
20歳そこそこのガキには到底理解できない
内容だったのではないかと。