Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

哀しみを染みこませて

2013年09月22日 | 映画など
ゲオルギー・シェンゲラーヤ監督『ピロスマニ』を見る。
グルジアの国民的画家、ニコ・ピロスマニの孤高の半生を描く。
名作の誉れ高い映画だけど、今回が初見。
69年作だから、もう40年以上も前の映画なのか、と。
地味で静かで美しく、ほのかに哀しい。



バーや食堂などに絵を描いて、
かろうじて糊口をしのぐ極貧の画家ピロスマニ。
素朴だが静かな迫力を持つ彼の絵は、
一時期、中央(モスクワ)の画壇に注目されるが、
稚拙な絵だと新聞に酷評されるなどして、失意の日々におちいる。
もともと他人と折り合いをつけるのが苦手で、
結婚もかなわず、商売にも失敗。
独学で修得した絵を描くことに専念する。

映画はそんなピロスマニの気持ちに寄りすぎず、
かといって突き放しもしない絶妙な距離感で描く。
ピロスマニが描いた絵のように、
ある種の諦めと慈しみを持って描かれた映画というか。









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