Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

記号と記憶の先に

2024年05月19日 | 映画など
藤井道人監督「青春18×2 君へと続く道」を見る。
劇中、バイク二人乗りの場面で、
清原果耶が「台湾映画みたい!」と喜びの声を上げた瞬間、
おっさんは号泣しちまいましたよ。
お涙頂戴の映画だと言いたければ言えばいい。
映画は泣いたモン勝ちじゃ。文句あるんか、あん?


メインの舞台は18年前の台南。
台北ではなく台南というところが、いい。
大都会ではなく、ひなびた地方都市のイメージが
親しみと懐かしさを増す。
バックパッカーの日本人アミと、
台南に住む高校生ジミーとの
ラブストーリー以前の心の触れあいがいとしい。

映画は30代になったジミーが
日本にいるアミの実家を訪ねるまでの
ロードムービーとなっていて、道すがらに
出会う人々との交流が、これまたいとしい。
なかでも松本の夜の街を案内する居酒屋店主との
訥々とした会話をとらえたカメラワーク。
やさしさに満ちあふれた場面に感じ入る。

アミの実家に近づけば近づくほど、
ファンタジックな雪景色が広がっていくが、
これはジミーとアミが台南の映画館で
岩井俊二監督の「Love letter」を
見る場面と重なり合っていく。
ジミーが日本の雪原の上にどさっと寝転ぶ姿は
「Love letter」が好きな人にはたまらないだろう。

時間と記憶の物語が進むなか、
ちょっとしたフェイクというか仕掛けで
主人公であるジミーと観客の感情が見事にシンクロしていく。
ある意味、ずるい脚本であり、
いやらしい演出だと思ったりもする(褒め言葉です)。

シャイなジミーを演じるシュー・グァンハンの清々しさ。
明るくて礼儀正しいが、
重さと暗さを抱えたアミを演じる清原果耶との
カップリングもいい。最初に触れた
「台湾映画みたい!」の台詞に号泣した自分は、
台湾(映画)といえばバイクでしょう。と、
そんな思い込みと思い入れによるもので、
ごくごく個人的な琴線に触れてしまったというか。

台湾行きてえ。台南いいな。
で、台湾麦酒と焼き飯をかっくらいたい。
そんな願望が炸裂する出色の観光映画でもありました。

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チンボツだらけの人生

2024年05月19日 | 日々、徒然に
文学フリマ東京38@東京流通センターに行く。
1860件(2057ブース)の出店に圧倒。
見て歩くだけで3時間ぐらいかかり、それでも全部
回るのは不可能。脚と膝と腰と背中と肩が!



出店された「文学」たちの洪水を全身に浴びながら、
表現と思想と快楽と情熱の渦に巻かれて、チンボツ寸前。
お目当てのジンとかを購入するも、
文具系の出店に心惹かれるものが多かったような。

夕方、新宿で人と会う約束があり、
結局、全フロアをまわることができずに、おいとまして
満員のモノレールで浜松町まで。
来年からはビッグサイトでの開催らしい。
行ったらチンボツ決定ですな。

疲れ果てて、もう煙も出ない惨状でありながら、
たどり着いた新宿でほんとにチンボツしてしまったんですが、
それはまた、別の話。


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