Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

アウト・オブ・ティアーズ

2020年04月15日 | 映画など

緊急事態宣言下では映画館はすべて休業。

なのでしばらくは映画館で映画は見られない。

なんとも悲しい限りではあるけれど、

宣言が出る前に見た映画を思い出しつつ、

いろいろ書いていこうかな、と。

まずは、3月に渋谷シネマヴェーラで見たコレから行きます。

 

ウラジミール・メニショフ監督

「モスクワは涙を信じない」を見る。

実に何十年ぶりかの再見。内容は覚えていないけど、

いい映画だったという感触だけは残っていて、

きっとまた感動するだろうと思っていたら、甘かった。

あれよあれよという間に引き込まれ、ラストでは号泣してしまったという。

なんだこれは、とてつもない名作ではないか、と。

 

 

79年の制作だから、当時のロシアはソ連であり、

冷戦下でバリバリの社会主義国家だ。

でも本作のモスクワの風景はいたって平穏で、

それなりに豊かだったことがわかるし、人々の生活ぶりも

アメリカや日本とさほど変わらない印象。

 

そんなモスクワで生きる3人の女性の数十年を描く本作。

一人は平凡な結婚をし、地道な生活を選び、

もう一人はダメ男と結婚して破綻。いい男を絶えず探している。

そして最後の一人でヒロインとなるエカテリーナは、

工場労働者であることを隠して、テレビ局のカメラマンの男と恋仲になる。

しかし身分がばれ、マザコンだったその男に振られてしまうのだけど、

すでに彼女は妊娠していたという。

 

なんか、どこにでもあるメロドラマというか。

世界のどこにいたとしても、人の喜びとか悲しみ、悩みなんかは

共通なのかもしれないな、と。

 

映画は、シングルマザーとなったエカテリーナの

強さと脆さをじっくり描き、彼女に感情移入すればするほど

ラストの幸福感に涙する人は多いだろう。

つまりはよくできているメロドラマなわけで、

ちょっと寂しげな主題歌もチャーミング。

当時、アカデミー外国語映画賞を獲ったのだけど、

今では忘れられた映画という感が強いので、

あらためて本作の素晴らしさを書き留めておきます。

 

コメント
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