Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

おい、相変わらず馬鹿か

2020年04月20日 | 映画など

山田洋次監督「男はつらいよ50 お帰り寅さん」を見る。

本作を見たのは、今年の正月。

大いに笑ったり、しみじみしたりしたけれど、

まさかその4か月後に、

こんな荒廃した世の中になっていようとは。

 

 

小説家となったアラフィフの満男(吉岡秀隆)が

かつての恋人・泉(後藤久美子)と再会する物語。

その過程で寅さんの回想シーンが挿入されるわけで、

20年以上も経った時点で続編を作るなら、

こうするしかなかったんだろうと想像する。

 

主役は満男で、50歳近くになっても、

相変わらず優柔不断で「しっかりせんか、あん?」と

突っ込みながら見るのは、昔と変わらない。

 

回想シーンでの渥美清は、やっぱり圧倒的な迫力があり、

大きなスクリーンで見ると涙が出るぐらい可笑しい。

 

ゴクミは上手な女優さんだと思う。

そういえば、美少女だった頃の「ラブストーリーを君に」は名演だったし、

このまま女優復帰すれば、

もっといい仕事ができるのではと思ったりする。

そのゴクミの父親役が橋爪功で、

ちょっとした笑いと苦味を与えてくれるんだけど、

シリーズでは寺尾聰だったんだな。

このキャスト変更はファンの間で物議を醸しそう。

 

夏木マリと浅丘ルリ子は現役バリバリの女優さんだし、

倍賞千恵子が「おばあちゃん」と呼ばれるのが

いくぶんショックとはいえ、安心して見られたし、

源公の佐藤蛾治郎も元気そうで何より。

二代目御前様の笹野高史、

タコ社長のイメージを見事に受け継いだ美保純、

満男の担当編集者の池脇千鶴の好演も楽しい。

ゴクミじゃなくて、池脇さんを選ぶべきだろう

とスクリーンに向かって満男を叱り飛ばしたくなったのは

自分だけではない、はず。

 

つまりは、まあそれなりに

けっこう楽しんで見られたシリーズ50作目。

山田洋次監督はいま88歳。まだまだお元気そうだし、

1つ上のイーストウッドやゴダール、

フレデリック・ワイズマンがまだまだ撮っているのだから、

寅さんはこれくらいにして、

監督の撮りたい映画を作って見せてくださいな。

と、志村けん主演「キネマの神様」に期待していたけれど、

なんとも残念な流れになってしまいました。

 

コメント
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