何度か引用したことがあると思うけど、
中島らもさんのエッセイで、
「1人の人間の一日には、必ず1人、
その日の天使、がついている」と。
「その天使は、日によって様々な容姿をもって現れる」
「こんなコトがないだろうか。暗い気持ちになって冗談でも
今自殺したら、などと考えていたら、
とんでもない友人から電話がかかってくる」
「あるいは、ふと開いた画集か何かの一葉によって救われるようなことが」
「それは、その日の天使なのである」と。
そのエッセイのことをなぜ思い出したかというと、
長年使っていた炊飯器が駄目になって、
新しく買い換えたのだけど、それで炊いたご飯が実に美味で。
納豆と味噌汁だけで、何杯もお代わりしてしまったという。
たぶんお米のなかに、ご飯のなかに天使がいたのだろう。
新しい炊飯器が、天使を呼んでくれた、とも言える。
だが、しかし。焼きそばのなかにはいない。
いないったら、いない。