10年ぶりに改訂された「広辞苑」。
LGBTの説明が誤っているとの指摘を受けたようで。
どうやら、LGBTのそれぞれの頭文字の説明のあと、
「多数派とは異なる性的志向を持つ人々」とあるらしい。
LGB(レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル)は、
確かに性的志向だけど、
Tは「トランスジェンダー」のことで、
生まれてきた体の性に違和感を持つ人のこと。
性的志向ではなく、性自認。
なのでトランスジェンダーは、
性的志向とは別の軸で考えるべきで。
広辞苑は「誤っている」というのもあるけど、
「説明不足」なのかな、と思う。
あと「多数派とは異なる」という表記も、
多少の差別意識というか、
「多数派」と「少数派」を
区別しようという意識が働いているような感じもする。
ともあれ、
指摘を認めた岩波書店の対応は素晴らしい。
ふだん本や雑誌の仕事をしているので、
いつ間違ってしまうかという恐怖を抱いている自分としては、
他人事ではないというか。
かと思えば、
中日新聞の元社長が大村愛知県知事のことを、
「保守か、リベラルか、性同一性障害か」と発言。
保守的だけど、非自民的なところもある、という、
両面性、多様性があるような意味合いで
性同一性障害という言葉を使ったと想像する。
よく物事がわかっていない政治家が、
勢いに任せて言ったのではなく、新聞社の人の発言というのが驚き。
いずれ広辞苑で「LGBT」の説明が
修正されると思うので、
元社長さん、ちゃんと読んでくださいね。