桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

2012-06-02 | Weblog
桜島は元気に活動していると聞いていたが、雨上がりの鹿児島なのに、少し強い風が吹くと、灰が飛ぶ。雨に濡れた灰は黒ずんで縞になっているし、車の屋根や窓は白く汚れている。
桜島は雲に包まれいるが、晴れ始めた明日は、これは大変かも。

鹿児島入り

2012-06-02 | Weblog
今日は、東京で話をした後、鹿児島に移動した。
今月は大崎事件の原口アヤ子さんの誕生日だ。激励して、元気でいて頂きたいと思って、少し誕生日には早いが、今日、鹿児島に来た。
先の名張事件の奥西さんにしても同じだが、原口さんも年齢という重い現実を背負っている。時間さえあれば、必ず勝てるのだが、80歳半ばを越えるお二人には、もう残される時間は多くはないのだ。それを思うと、ただただ元気でいて欲しいと祈る気持ちになる。俺に出来ることは、何でもしたい!と、今日の鹿児島入りだが、月曜日には、しっかりと激励したいと思っている。

北陵クリニック事件

2012-06-02 | Weblog
冤罪仲間で、俺と同じ千葉刑務所に受刑する守大助は、北陵クリニック事件と呼ばれる冤罪だ。
この事件は、科学的に犯行が疑問視される点が多々あって、全国的な支援になっている。
今日も立教大学のセントポール会館でカトリック信者の方たちによって集会が開かれた。俺の体験からの思いを語って来たが、鹿児島行きのため、短い時間しかなかったのが残念だった。一羊会と言う信者のグループの方たちは、どなたの視線も温かくて真面目で、もっと話したかった。
このところ、どこの集まりでも感じるが、冤罪を理解し、警察や検察、裁判に対する批判の目を、どなたも持っている。俺が仮釈放で出て来た16年前には考えられないことだ。
今日も、これから10年後には、この人たちの思いが裁判村を変えることになるだろうと思った。

笑い話

2012-06-02 | Weblog
昨日の矯正展では、実に面白いことがあった。
千葉刑務所のオーダーメイド靴を作ることにして、職員に採寸して貰っているとき、昔、靴を作っていたことを話した。注文書に名前を書いたりしたから、正体が判ったかと思ったらば、全く判らないのだ。
そして、もし気に入ったらば千葉刑務所に直接に注文に行くことを話したらば、「昼間は工場と言うところで仕事をしてますので、事前にご連絡ください」と言うのだ。俺は、その工場で長く仕事をしていたのにね。